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「ワンクリックで製造できる世界」が現実に? 3Dプリンターを使ったプロダクトのマーケットプレイス【rinkak】の創業者、稲田雅彦氏へインタビュー

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IoT(モノのインターネット化)は年々その可能性が注目されてゆき、2016年現在ではホットワードの一つとなっています。IoTとは、エアコンや冷蔵庫、車など、様々な「モノ」にインターネット接続機能を搭載することで、インターネットの可能性を大きく広げる仕組みです。

たとえば、エアコンにインターネット機能を搭載すると、帰宅前にスマートフォンからエアコンをつけておくというような遠隔操作が可能になります。また体重計に搭載すると、日々の身体のデータをPCやスマートフォンから見ることができ、分析できるようになります。

キャプチャ画像加工用
Google Trendより引用(IoTとInternet of Thingsの人気度の動向)

そんなIoTの考え方を基本にして、現在主にドイツで開発が進められているのが、「インダストリー4.0」です。「インダストリー4.0」とは製造業において、工場での生産プロセスを大幅にデジタル化することで、工場全体をインターネットを通して制御するプロジェクトです。「スマート工場」とも称されるこの工場が実現すると、在庫の削減や生産性向上、人員最適化へと繋がると考えられており、その名の通り第4次産業革命を起こすのではないか、とまで言われています。しかし一方では、コンセプトのみが先行していてまだ実現には遠いという意見もあります。

3Dプリンター商品のプラットフォーム【rinkak】とは

そんな「インダストリー4.0」実現への歩みを進めようとしているが、日本のスタートアップ「株式会社カブク」が運営する【rinkak】です。3Dプリンターを使ったプロダクトのマーケットプレイスとして2013年に創業してから、これまで度重なる資金調達に成功しています。

ユーザーが自分で作った3Dデータを【rinkak】へアップロードすると、製品としてサイトに掲載することができます。しかしその時点では商品は製造されておらず、サイトに並んでいる製品は3Dのデータです。買い手が発生して初めて、国内外にある工場で3Dプリンティングされ、商品が製造されるという仕組みになっています。高価な金型を用意する必要もなく、在庫も発生しないという画期的なシステムは注目を浴び、日本の大手企業との提携も数多く行われています。

今回は、そんな【rinkak】を運営する株式会社カブク取締役兼CEOの稲田雅彦氏へ、「デジタルものづくり」の未来についてお話を聞いてみました。

以下、インタビューです。

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https://www.rinkak.com/jp/

カブク社と稲田氏のこれまで

――まず、「カブク社」を設立された経緯をお聞かせください。

ソフトウェア/インターネットの世界では、オープンイノベーションの流れが浸透しており、これによってここ10~20年ソフトウェア/ネットの世界でのイノベーションが大きく進みました。一方でものづくりの世界はクローズド・イノベーションが中心で、中々イノベーションが進みづらくなってきました。

自分たちの出自の強みでもあるものづくりの領域に、自分たちが経験してきた開かれた考え方を持ち込むことで、ものづくりの民主化を実現し、ものづくりの復権、新たなものづくりの流れをつくっていきたいと話していたのがこうした事業を始めたきっかけになります。

(※編集註)オープンイノベーションとは、自社だけでなく他社がもつ資源(技術、アイデア、知識など)などを組みあわせてイノベーションを起こす手法のこと。クローズド・イノベーションはその逆で、自前主義で開発すること。

――先ほどの「出自」と言えば稲田さんもかなり多彩な経歴をお持ちですが、ご自身のキャリア形成に大きく影響を及ぼしたものとはなんでしょうか?

学生時代は人工知能を専攻し理系エンジニアとして活動もしていましたが、併せてメディアアート的なプロジェクトや事業立ち上げプロジェクトにも関わっており、このあたりからサイエンスとエンジニアリング、アートとデザイン、ビジネスの相互関係の重要性を感じていました。

また人工知能の領域はIT、バイオ、認知心理科学など多様な学問にまたがるものだったこともあり、社会人になってからの、業界や職種を横断した事業立ち上げや業務の立ち回りには大きく影響しているかと思います。

【rinkak】の展開と「デジタルものづくり」の未来について

――【rinkak】は海外クリエイターの利用者が多く、海外でも3Dプリンターの工場を手配されていますが、海外で事業展開する際日本との違いなどありますか?

相対的ではありますが、現状において新しい技術やサービスの活用、浸透スピードは海外の方が速いです。事業展開はユーザーのメディア行動、生活行動の違いで異なるメディアやチャネルでの展開になることが多いです。

――「星のドラゴンクエスト」においては、ユーザーがゲーム内で作り上げた個々のアバターを【rinkak】が3Dプリンターで具現化する画期的なサービスでスクエア・エニックスと提携されていますが、こうしたアライアンスに関しては当初から構想があったのでしょうか?

今回のサービス提携では非常に大きな反響をいただきまして、こうした流れはデジタルものづくりの「世の中ゴト化」にも寄与するので、大変良いことであると考えています。もちろん、こうしたアライアンスは当初からの構想もありますが、走りながら臨機応変に可変し対応することも多いです。


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画像引用元:https://www.rinkak.com/jp/news/avatar-dragonquest-2015?hl=ja

――「デジタルものづくり」が一般実用段階にまで浸透したとき、一体どのような世界が実現するのでしょう?

昨今注目されている「デジタルものづくり」化の流れでもあるインダストリー4.0が究極的なところまで進めば、3Dプリンターなどの技術を組み合わせて、「ほとんどのものがワンクリックで製造できる世界」になると考えています。

――3Dプリンターは一方でまだ一般に広く認知されているとは言いがたい状況かと思いますが、今後の【rinkak】の展開において、3Dプリンターの認知向上などは考えられていますか?

3Dプリンターは「デジタルものづくり」領域の一つのツールに過ぎず、生活者の方が必ずしも認知する必要は無いかと考えています。

あらためて「モノづくり」の魅力

――音楽業界や出版業界をはじめ「モノのデータ化」が進んでいる一方で、稲田氏が取り組んでおられる「データのモノ化」はある意味対称的なベクトルとも言えるかもしれません。さまざまなモノがデータ化されていく時代にあって、改めて「モノ化」する魅力とはなんでしょうか?

デジタルものづくりの世界においては、マニアックなキーワードですが、「サイバー・フィジカル・システム」というものがあり、「サイバー世界のデータ」と「物理的なモノ」を同じように扱っていく流れがあります。こうした中で、さらに「新しいものづくり」が産まれていくのが、これからのものづくりの魅力だと考えています。

――「サイバー・フィジカル・システム」とは具体的にどのようなシステムなのでしょうか?

サイバー・フィジカル・システムとは、バーチャルな空間と物理的な実世界を結びつけて、相互作用を可能にする技術です。たとえば、ゲーム上で動いているキャラクターを動かすと、リアルにあるフィギュアも同じように動き、逆にリアルにあるフィギュアを動かすと、ゲーム上のキャラクターを動かすことができる、といったことが可能になります。

最後に

いまはコンピューター上でかなり自由にクリエイトできる時代になりましたが、それをモノとして具現化(出力)することは、やはりまだまだハードルが高い状況があります。そんな中、稲田氏は3Dプリンターを誰でも使えるようにすることで、「ものづくりの民主化」を目指し、新しいものづくりのプラットフォーム【rinkak】を立ち上げました。

もしこうして「ものづくりの民主化」が実現した場合、私たちは生活レベルでどのような変化を迎えるのでしょうか?「あらゆるものがワンクリックで作れるようになった世界」では、現在の製造業の主流である「マス向け大量生産システム」自体が大きく変革する可能性がありそうです。

例えば、車を買う場合現在の私たちは国内外10前後の自動車メーカーの中から製品を選ぶことになります。しかし「モノづくりの民主化」が実現した社会では、この選択肢が原理上3Dデザイナーの数まで広がることになりえます。そうなると世の中のありとあらゆるデザインも現状では想像できないほど多様になるのかもしれませんね。

「インダストリー4.0」の一翼を担う【rinkak】は、今後も大きな注目を集めそうです。

人物紹介

稲田 雅彦氏
株式会社カブク取締役兼CEO。
大阪出身。東大大学院にて人工知能の研究に従事。修了後、博報堂にて新規事業開発に携わり、カンヌライオンズをはじめ受賞歴多数。

【株式会社カブクHP】http://www.kabuku.co.jp/

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