ホームページの効果検証を行う時、「いまいち、結果につながっていないなぁ」と悩むことは多いと思います。中でも、一番悩ましいのは、改善したくても「どこをどう改善すればいいのか分からない」という場合ではないでしょうか。
改善へのヒントを探すために、まずはアクセス解析データを見ることになると思いますが、合わせて利用したいのがヒートマップツール。これを導入すれば、訪問者の閲覧行動がページ単位で手に取るように分かります。以前にもヒートマップツールのご紹介はしていますが、今回は無料で使える「User Heat」というツールを取り上げ、その特徴や使い方などをご紹介します。
無料でも機能は優秀、ヒートマップツール「User Heat」
「User Heat(ユーザーヒート)」は無料で利用できるヒートマップツールです。ヒートマップツールとは、ページのどこがよく見られているかなどをサーモグラフィ状にビジュアライズして表示してくれるツールのこと。よく読まれているところは赤く、あまり読まれていないところは青く表示されるなど、サイトの閲覧状況が視覚的にわかるので、問題点の把握や改善のヒントの発見に役立つツールです。
そのひとつである「User Heat」は、1サイトあたり月間10万PVまで無料で利用可能。しかも、PCとスマートフォンからの解析結果を切り替えて表示させることができ、いきなり高価な有料ツールを使わなくても十分な解析が行えます。
また、「マウス再生」という機能もあり、閲覧者の実際のマウスの動きを知ることも可能。ページ上でのマウスの動きを追うことで、どこに興味を持っているのか、最終的にどこで離脱したのかなど、サイト訪問者の動向がわかります。
「User Heat」を導入すれば、できること
User Heatの導入は非常に簡単です。WEBサイトのURLを入力して登録すると、解析用のタグが発行されますので、それをサイトに埋め込むだけで設定が完了。設置したWEBサイトのアクセス数によって変わりますが、タグを設置してから数日程度でデータが溜まり、ある程度の解析結果が表示されるようになります。
User Heatでは、次のような3つの解析結果を見ることができます。
1:マウストラック再生
訪問者ごとのマウスの動きを見ることができます。
2:クリック分析
訪問者がどこをよくクリックしているのかを色で表示します。
3:熟読エリア分析
どこが熟読されているのかを色分けで見ることができます。
実際に当サイトに設置した事例で、それぞれを見て行きたいと思います。解析タグ設置後、数日程度でこのような解析結果が表示されます。
1:マウストラック再生(MOUSE)
マウストラック再生では、実際のマウスの動きを見ることができます。
これは当サイトのトップページの一部ですが、メインビジュアルのあたりを上下に動かしながらナビゲーションメニューへ移動し、そのあとに下へとスクロールしているのが分かると思います。
なおこのマウス再生は、任意に数人分を抽出した結果が表示されるようになっており、クリックする度に結果は変わります。大よそ同じような表示なることが多いですが、何度かクリックして全体の傾向を掴むこともできます。
2:クリック分析(CLICK)
クリック分析では、訪問者がどこをクリックしたが分かります。
このようにサーモグラフィ状に表示され、赤いところが一番良くクリックされるところ。次いで緑、青と言う順番で表示されています。上記画像では上部ビジュアル周辺がクリックされ、バナー上部のメニューもクリックされていることが分かると思います。
例えば、リンクが無い場所でクリックされている、逆にリンクのある場所がクリックされていない、などという場合には、デザイン面での分かりやすさなどを改善点として考えることができるはずです。
3:熟読エリア分析(VIEW)
熟読エリアでは、よく見られている箇所がわかります。
よく読まれる部分ほど赤く、サーモグラフィ風に表示。どこが読まれているのか、どこが読まれてないのかが色分けされ、視覚的に分かりやすく表示されます。上記ではキャッチコピーやメニュー周辺などが見られていることが分かります。
読んで欲しいところが読まれているか?意図していなかったがよく見られているところはあるか?このような観点で見て行くことで訪問者のニーズを分析することができます。
以上、ざっと見てきましたが、User Heatではこのような分析がページごとに行えます。3つのヒートマップを見て行くことで、訪問者の動きがなんとなくイメージできるのではないでしょうか。例えば、次のような訪問者の行動を発見することができるでしょう。
- 熟読されているのにクリックはされていない箇所がある
- クリックはされているけどあまり読まれてない箇所がある
それらを手掛かりとして、アクセス解析も組み合わせるなどして1つ1つ分析していけば、より深く訪問者の行動やニーズを知ることができるはず。ぜひ、一度試してみてください。
今回のまとめ
以上、ヒートマップツールUser Heatをご紹介しました。イメージを掴んでいただけたでしょうか?ヒートマップツールを使えば、アクセス解析ツールだけでは把握することが難しい訪問者の動きから興味や関心などを推測でき、ユーザビリティの改善にも役立てることができます。
このツールには高機能な有料版User Insightもありますが、無料で使えるUser Heatでも十分な解析が可能です(ただしあまりにも長いページでは途中までしか解析されないなど、無料版なりの制約はあるようです)。サイトの現状をもっと深く分析したい、改善点を見つけたい。そんな場合にはUser Heatを導入して、訪問者の動きを分析してみてはいかがでしょうか。
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