無料ではじめられるFacebookページ。ソーシャルメディアを使った手軽なマーケティング手法として注目を集めています。でも、ページは設置してみたものの効果はイマイチ、いつしか更新が途切れてそのまま…そんな方も多いのではないでしょうか。
ファン(いいね!ボタンを押した人)は多かれ少なかれ商品やサービスに関心を持っており、確度の高い見込み客ばかりのはず。放っておくのはもったいないかもしれません。継続のポイントとなるのは顧客のペルソナ化、そして更新キャラの設定。今回は、見込み客を顧客へと促す、Facebook更新のコツをまとめました。
距離を縮めることからはじめよう
Facebookに書き込みをしようとして、「恥ずかしい」「ガラじゃない」と止めてしまった経験はありませんか?利用にあたって、実名の公表が必要なFacebook。同僚、家族、友達…など現実(リアルライフ)経由のつながりが、そのまま持ち込まれます。日常に影響するとなれば、人はおのずと慎重になってしまうものですね。
でも、だからと言って、形式ばった表現や当り障りのない内容になってしまうと、誰も振り向いてくれません。Facebookページ運営の基本ステップにおいては、ユーザーとの距離感を縮めることが重要なカギとなります。ユーザーに親しみを感じてもらい、信頼関係を築くことで、発信した情報が深く浸透し、記事をシェア=拡散してもらえる可能性も高まるからです。
「いや、うちは税理士事務所だし、あまり軽い風潮は困る…」、そんなこともあるかもしれませんね。もちろん、親しみの表し方は提供するサービスや商材によって変わります。顧客の属性に応じた、的確な雰囲気でのコミュニケーションが大切です。ここで有効となるのが、ページを更新するキャラクターを決めておく方法。顧客に好まれそうな「更新キャラ」をあらかじめ設定し、それになりきって更新するとうまくいきます。
顧客のペルソナを踏まえ、理想のキャラを作る
更新キャラを考えるにあたっては、まずは代表的な顧客を設定しましょう。ここでは、ペルソナの活用が役立ちます。ペルソナとは、顧客の多くが持つ属性をできるだけ細かく推測・設定し、実在するかのような架空の人物像を作り上げる手法のことです。これにより、ターゲットが記事に求めるトーン(あたたかいか・まじめか・気楽かなど)が明確になります。
「ターゲット層全員」に対して漠然と記事を書くより、「実際の知り合い(に近い一人)」に向けて情報発信するほうが、断然ラク。更新を継続しやすくもなります。
ペルソナの活用術については、以下の記事もご参照ください。
・サイトの集客力を高めたい!と切実に悩むあなたのためのペルソナ活用術
顧客のイメージ像が出来上がったら、その人に刺さる「更新キャラ」を考えてみましょう。店舗や会社で、見込み客が最初に接するのは誰でしょう?店舗なら接客スタッフ、企業であれば営業や人事といった業務担当者になりますよね。実生活に近いつながりが築かれるFacebookでは、このような実際の接客や営業の延長上で考えると、より効果的。その発想で、更新キャラを考えるとうまくいきます。
更新キャラ活用事例
それでは、具体的な事例を見ていきましょう。
事例1. 第一生命保険新卒採用2016
新卒採用活動は、誠実かつ気軽なムードで
https://www.facebook.com/daiichi.saiyo2016
第一生命保険新卒採用Facebookページの場合、以下のようなペルソナが考えられます。
- 職業⇒大学生(新卒・第二新卒)
- 募集職種⇒多岐にわたる
- 性別⇒問わず
- 年齢⇒21-26歳くらいまで
- ライフスタイル⇒人とのコミュニケーションが苦にならない
- 居住地⇒全国(主に関東)
- ページに訪れる動機⇒ビジネスとプライベートの混合
このFacebookページでは、実際の人事部スタッフが更新するかたちになっており、特別なキャラを作っているわけではありません。しかし、若者に親しみを感じさせるフレンドリーな口調のメッセージで、使われている画像も今風の緩めタッチ。若者中心・採用活動目的という属性を踏まえ、気軽に覗ける雰囲気を実現しています。これも広い意味ではひとつのキャラの作り方だと言えます。
事例2.ローソン
親しみやすさのカギは、可愛い女の子バイト
https://www.facebook.com/lawson.fanpage
コンビニエンスチェーン・ローソン(LAWSON)のFacebookページでは、「ローソンクルーのあきこちゃん」が更新キャラに設定されています。あきこちゃんキャラのコンセプトは、「店の可愛い女の子バイト」。かわいい女の子を雇うと売上が伸びるという、現場からの声があったためだそう。
ローソン(LAWSON)における顧客のペルソナを考えてみると、
- 職業⇒幅広い
- 性別⇒問わず
- 趣味⇒問わず
- 年齢⇒幅広い
- ライフスタイル⇒さまざま
- 居住地⇒全国
- 商材を扱う動機(プライベートかビジネスか)⇒プライベート
とざっくりしていて定まりません。大規模チェーン企業におけるマーケティングの難しさですが、裏をかえせば「大多数に受ける鉄板キャラ」が不可欠だった、ということでしょうか。
今回のまとめ
- 現実のつながりが持ち込まれるFacebookでは、対象者との距離を縮めることが大切。
- 顧客のイメージをしっかりつかんだ上で、親しみやすい更新キャラを考える。
- 更新キャラになりきって投稿することで、Facebookページの訴求力が向上。
顧客のペルソナが明確になり、更新キャラも設定できたら、さっそくメッセージを配信していきましょう。最初から完璧を目指さなくても大丈夫。閲覧者からの反応を見ながらキャラ設定を微調整していってもいいかもしれません。Facebookでは、頻繁な更新も訴求力のひとつ。日々接する機会が多いほど親しみが湧く点は、やはり実生活と同じです!うまく活用すればコストパフォーマンスも抜群のFacebookマーケティングを、キャラ設定から、ぜひお試しください。