2014年のWEBマーケティングのトレンド・キーワードにもなったネイティブ広告。最近も、広告枠を設けるメディアが続々出現!来年にかけて、ますます注目されそうな勢いです。
でも、ネイティブ広告には話題先行気味の感もあり、ちょっとわかりにくいところもありますよね。ネイティブ広告って、なぜそんなに注目されているの?従来の広告との違いは?そもそも、ネイティブ広告のネイティブって何?そんな疑問だらけのあなたのために、今回はネイティブ広告の基本のキをまとめてみようと思います。これを読んでおけば、ネイティブ広告がざっくりと理解できます!
ネイティブ広告とは
「ネイティブ広告」と呼ばれる理由
ネイティブ広告とは、記事などのコンテンツに溶け込ませたタイプの広告のこと。従来のバナー広告などのように一目で広告だと分かる広告とは違って、ユーザーに違和感を持たせることなく「自然に」掲載されることから、「ネイティブ」広告と呼ばれています。様々なメディアが販売する、新しいタイプのインターネット広告枠です。ネイティブアドとも言われます。
広告の入る場所も、見た目も、とにかく「自然」なことがポイント。各メディアのコンテンツと同じレイアウトや文体で制作され、すぐには広告だと気付かないのが特徴です。広告の中身も、商品やサービスを売り込むセールス型ではなく、情報コンテンツのようなかたちで編集されることが多くなっています。
かなりざっくりと言えば、ネイティブ広告とは「広告っぽくない広告」「一目ではコンテンツと区別できない広告」のことだとイメージしておけばいいと思います。
ネイティブ広告はどこに掲載されるのか
みなさんは、ソーシャルメディアで、一般の投稿と見間違えそうな広告を見たことはありませんか?あれも、ネイティブ広告です。Facebook、YouTube、Twitterなどのソーシャルメディアは、それぞれのサービスの中に広告枠を設け、ネイティブ広告を掲載しています。例えば、Facebookにはタイムライン広告というネイティブ広告枠があります。よく見ると「広告」と表示されていますが、一見しただけではタイムラインの一般の投稿と区別できません。
Gunosy(グノシー)などのニュース系メディア(スマホアプリ)も、広告枠を設けてネイティブ広告を掲載しています。ニュースのヘッドラインの中に混じって、まったく同じスタイルで広告を掲載。「Sponsored」の表示を見落とせば広告だとは分かりません。日本では、このようなコンテンツとコンテンツの間に広告が表示される「インフィード型」と言われるネイティブ広告が主流です。
その他にも、様々なメディアやアプリが、収益化を目指してネイティブ広告ビジネスに参入。最近ではファッションアプリ「iQON」がネイティブ広告を始めたことがニュースになりました。また、新聞社系などの既存メディアも追随する動きがみられ、国内のネイティブ広告業界はかなり混戦模様です。
ネイティブ広告が注目される背景
スマホの普及による広告市場の変化に対応
すでに、PCサイトを上回るケースもみられるスマートフォンでのWEB閲覧。ネイティブ広告が注目される背景には、このようなスマートフォンの普及が大きく影響しています。従来のインターネット広告は、自社サイトに誘導するバナー広告などが主流でしたが、表示画面が小さいスマホサイトでは、掲載スペースに限界があります。無理に掲載しても、邪魔な存在だと見られかねません。
そこで、スマートフォンでも見てもらいやすいかたちの広告として注目されているのが、記事などのコンテンツとなじみがいいネイティブ広告です。広告収入を拡大したいメディア側にとっても、広告の効果を高めたい広告主側にとってもメリットのある形態として、クローズアップされています。
コンテンツマーケティングへの流れとも合致
もう一つの背景は、コンテンツマーケティングへの流れ。ネイティブ広告利用のメリットは、ユーザーに役立つ情報として広告を掲載することにより、企業のブランド価値の向上が期待できることだと言われています。従来の広告のような企業発の情報ではなく、メディアからの情報という形をとることで、より信頼感や情報価値を高めることができるというわけです。
加えて、メディア自体が持つソーシャルメディアへの拡散力を利用できることも、大きな魅力です。すでに多数のユーザーを持つメディアのネイティブ広告枠を利用すれば、より多くのユーザーに見てもらえるだけでなく、シェアやツイートがされやすくなります。ターゲット層にマッチしたメディアを選べば、かなりの効果が期待できます。
ネイティブ広告の課題と今後
ネイティブ広告には、課題もあります。それは、記事などとの区別がつきにくく、ユーザーの誤解や不審を招くおそれがあることです。「コンテンツだと思って読んだら広告だった」「だまされた」と感じられてしまうと広告効果どころか、逆効果になってしまいます。ステルスマーケティング(消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。略称:ステマ)にならないように注意する必要があります。
ネイティブ広告は、メディア側が制作内容まで完全にコントロールするものから、従来の広告に近い枠だけを売るものまでものまで様々。販売するメディアによって、基準や考え方が異なるのが現状です。健全な発展のためには、「広告」であることを、もっと分かりやすく表示するなど、共通の基準作りが急務となっています。この点については今、インターネット広告推進協議会という団体が「ネイティブアド研究会」の活動を開始。ネイティブ広告の定義の検討やガイドラインづくりが進められています。参入メディアが増えている今、環境整備が急がれるところです。
今回のまとめ
- ネイティブ広告とは、メディアのコンテンツと違和感のない自然なスタイルの広告のこと。
- SNSや新旧様々なメディアが次々とネイティブ広告ビジネスに参入している。
- スマートフォンの普及がネイティブ広告注目の背景にある。
- ネイティブ広告の定義やガイドラインは、今後整備されていく見込み。
メディア側の思惑が先行しているという感じも伺えるネイティブ広告。広告主やメディアがいっしょになって、読者にとって有益な情報型の広告を掲載するという部分では、コンテンツマーケティングの流れを汲んだプラス面があると思われます。しかし、真に、ユーザーに役立つ広告になるかどうかはこれからの環境整備や展開次第。来年の動向に注目しましょう。このブログでも、より詳しい情報を取り上げて行きたいと思います。