ホームページで見込み客リストを集めたい。サービスに申し込んでもらいたい。そんな時、結果を左右する大きな要因となるのが「文章術」です。人の行動を促すための文章術はセールスコピーライティングと呼ばれ、ターゲットの心理変化に沿った文章作成テクニックが使われます。
セールスコピーライティングには多くの「型」と呼ばれるものが存在しますが、その礎となっているのは、なんと、あの有名な哲学者アリストテレスの説得術。今回は、そのアリストテレスの説得術を紐解きながら、人を行動へと誘うセールスコピーライティングについて学んでいきたいと思います。コンバージョンアップを目指す方、必見です!
ジョブズも参考にした?アリストテレスの説得術とは
古代ギリシャの哲学者であり「万学の祖」とも呼ばれるアリストテレスですが、人を説得する文章術についても語っていることは意外と知られていません。実は、以前に当ブロブでその卓越したマーケティングメッセージの伝え方をご紹介した故スティーブ・ジョブズも、アリストテレスの5ヶ条を参考にしてセールスストーリーを考えていたと言われています。
アリストテレスの人を説得する5か条
1.聞き手の注意を引くストーリーやメッセージを提出する
2.解決あるいは回答が必要な問題(疑問)を提出する
3.提出した問題に対する解答を提示する
4.提示した解答で得られるメリットを、具体的に記述する
5.行動を呼びかける
これがアリストテレスの提唱する、「説得のための5ヶ条」です。この流れに沿って文章を作っていけば、見込み客を行動へと誘うことができるようになります。さっそく、ひとつずつ見て行きましょう。
説得術1.聞き手の注意を惹くストーリーやメッセージを提出する
最初に必要なのが、「注意を惹くこと」。バナーのキャッチコピーや、ランディングページのヘッドコピーなどがこれにあたります。これができなければ、ページを閉じられたり離脱されたりしてしまい、先を見てもらえなくなります。
ストーリーを使った例
- 私がピアノの前に座ると皆が笑った。でも私がピアノを弾き始めると…
- 学年でビリだったギャルが、1年で偏差値を40あげて日本でトップの私立大学、慶應大学に現役で合格できた理由
メッセージを使った例
- 昨日まで世界になかったものを(旭化成)
- 6つの自由が無料でついてきます。(Apple)
例をご覧いただけば、注意を惹くために、「ストーリー」や「メッセージ」がいかに有効であるかがおわかりいただけると思います。テーマを明確にし、読み手の関心をぐっとつかむことができて初めて、先へと読み進めてもらうことができるのです。
説得術2.解決あるいは回答が必要な問題(疑問)を提出する
注意を惹くことができたら、次に「問題提起」を行います。多くの場合、人は自分の抱えている問題の深刻さに気が付いていません。だからこそ問題提起が重要な役割を持つのです。
問題提起の例
- なぜあなたはダイエットを始めないのですか?
- そのシミ、そのままにしていて大丈夫ですか?
それを抱えたままにしていると、今よりも大きな痛みを伴うようになる。そのような問題提起は、人の「痛みを避けたい」と言う心理に訴えかけることができます。その結果、問題の深刻さを認識し、その解決策を知りたいと思うようになるわけです。反応が取れない文章の多くはこの問題提起が欠けている、もしくは弱い、という課題を抱えています。
説得術3.提出した問題に対する解答を提示する
問題提起をした後は、その解決策の提示です。どうすればその問題を解決することができるのか、その具体的な方法について述べて行きます。このパートは、商品の紹介やサービスの案内に当たります。
解決策の提示の例
- あなたが長年悩み続けた腰の痛みは○○が解決します。
- 勉強しても英語が身に付かない、だったら○○で勉強してみて下さい。
抱えている問題に対し、「この商品があれば解決することができます」「このサービスならあなたの悩みを解決することができます」などと説明することで、読み手の欲求を刺激することができます。
説得術4. 提示した解決策で得られるメリットを、具体的に記述する
問題の解決策を提示しただけで終わっているコピーをよく見かけます。おそらく、それらの多くが、思うような反応を得られないはずです。購入や申し込みへつなげるには、解決策を提示するだけでは不十分。「問題を解決することで得られるメリット」を具体的に伝えることが必要です。
得られるメリットを具体的に記述する例
- 虫歯が治れば、痛みを気にせず美味しく食事することかできます!
- ダイエットして痩せれば、異性からの好意的な視線を集めることができます!
上記の例でも、「歯医者にいけば虫歯は治ります」「ダイエットをすれば痩せます」などと解決策を提示するだけでは、読み手はその先のメリットをイメージできず、行動を促す理由としては不十分です。解決することで得られるその先のメリットを具体的に説明してあげることこそが重要なのです。
説得術5.行動を呼びかける
最後に、しっかりと行動を呼びかける必要があります。解決策を提示してそのメリットを具体的にしても、そこからの呼びかけがなければ行動にはつながりません。ここはいわゆるクロージングのパートです。具体的にどうして欲しいのか、その行動をしっかりと呼びかけることが重要です。
行動を呼びかける例
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ページ自体の閲覧状態は悪くないのに、思うようにコンバージョンが上がらない……。そんな時は、この行動の呼びかけができていないことがあります。ここまでの流れで、読み手は問題を解決し、解決することで得られるメリットを手に入れたいと考えています。気持ちが最も高まっているその時に、しっかりと行動を呼びかけましょう。
今回のまとめ
現代セールスコピーの礎となっている、アリストテレスの説得の5ヶ条は下記の5つ。
- 聞き手の注意を引くストーリーやメッセージを提出する
- 解決や回答が必要な問題(疑問)を提出する
- 提出した問題に対する解答を提示する
- 提示した解答で得られるメリットを、具体的に記述する
- 行動を呼びかける
いかがでしたか?最初にしっかりと注意を惹きつけ、最後に行動を呼びかけるところまで、どれひとつ抜けても効果的なコピーにはなりません。5つのポイントに沿って、さっそく文章をチェックしてみてください。欠けている要素を補えば、説得力アップ。ページは閲覧されているのに、見込み客を行動へ誘うことができない……、そんな悩みが解決するかもしれませんよ!