「人は感情で購買を決め、論理でその行動を正当化する」と言われます。なるほど、そう言えばそうだな…と、みなさんも思い当たることは多いのではないでしょうか。人の行動を決める大きな要因となるのは理屈ではなく「感情」。問い合わせや申し込みなどのコンバージョンを目標にするインバウンドサイトでも、このような人の心理を考慮すると効果が高まります。
そこで、コピーライターがよく使うテクニックが、「心理トリガー」を盛り込むという方法。トリガーとは引き金という意味で、人の感情を動かし行動に駆り立てる仕掛けと言ってもいいかもしれません。今回は、比較的活用しやすい心理トリガーを7つ紹介していきます。ぜひ御社のコンテンツにも盛り込んでみて下さい。
コンテンツ力を高める7つの心理トリガー
1・感情移入させる
商品やサービスへの感情移入は、行動を起こすための大きなモチベーションになります。感情を動かすためには、それを手に入れた場面を想起させるのが効果的。商品やサービスの詳細な内容を説明するのではなく、それを手に入れるとどうなるかを具体的にイメージさせる方法を考えてみましょう。具体的なイメージが頭に浮かび、思わず感情が動いてしまうようなコンテンツをつくれば、効果は大きく高まるはずです。
具体的なイメージを抱いてもらうためには、写真はもちろん、動画や音声などのコンテンツを交えて紹介することが非常に効果的です。例えば、ビギナー向けの料理教室の生徒募集サイトならどんなコンテンツが有効でしょうか?ちょっと考えてみてください。
感情移入させるための事例
料理が全くできなかった生徒さんをモデルに、「通って1ヶ月でこれだけできるようになりました」と、実際に料理が作れるようになった様子を動画コンテンツにしてみたらどうでしょう? 食卓に料理が並んだ家族の食事シーンなどを盛り込めば、きっと心が動くはず。生徒を対象にした料理コンテストを実施して結果をコンテンツにする、という企画もあるかもしれません。「料理がうまくなった時の自分をイメージさせるコンテンツ」という切り口から、いろいろなアイデアが考えられるのではないでしょうか。
2・価値を証明する
購入や申し込みを行う時、人はそれに値するだけの価値があるかどうかを判断しながら、行動を決めていきます。人を動かすために、「価値を証明すること」は非常に重要であり、行動につなげることができるかどうかを左右する大きなポイントにもなります。コンテンツで価値を証明する方法はいろいろありますが、あなたならどんな方法を思いつきますか?
価値を証明するいくつかの方法
- 「○万円相当」「○万円分のサービスを○万円で販売」など価値を金額に換算する
- 他社の類似製品、同性能の機種など他と比較して価値を示す
- 「有名人○○愛用」「○○大学教授推薦」など権威性を利用して価値を示す
3・欲求を刺激する
感情を動かす心理トリガーとして外せないのが、人間の「欲求」。欲求を刺激する心理トリガーを活用して感情を動かすテクニックは、様々な業界や業種で多く使われています。欲求には、例えば「得をしたい」と「損をしたくない」など、二面性が考えられますが、どちらからのアプローチも非常に効果的なものとなります。自分自身のことを考えてみても、次のような表現に心を動かされたことはあるのではないでしょうか?
欲求を刺激するいくつかの方法
- 今なら○円引きなど、お得感を訴求
- 数量限定、○個限定特別割引、特別限定生産など数量を限定する
- 今日から3日間だけ特別価格など、期間を限定する
4・権威性を示す
いくら価値を示して欲求を刺激しようとしても、「本当だろうか?」「信用できるのだろうか?」と疑うのが人の心理。そこで有効なのが「権威性」の提示です。権威性を示すことで、安心や納得につながり、行動への最後の一押しとなることは往々にしてあります。扱う商品やサービスに、権威性を示せる方法はないかを考えてみましょう。
権威性を示すいくつかの方法
- 「○○先生お墨付き」「心理カウンセラー○○も絶賛」など有名人・著名人の名を使う
- 医者や弁護士など社会的地位の高い人の声を使う
- 「○○受賞」「日本で最も利用されている○○」など賞や実績を示す
5・好奇心を引き出す
好奇心は、人の興味を引き付けるかなり強力な心理トリガーです。「何だろう?」「その先は、どうなるのだろう?」と心が動けば、かなりの確率で行動につながります。
例えば、サービスや商品を手にするとどうなるかという結果は伝えながら、それを具体的には説明しない…。あえてこのようにすることで、好奇心を呼び起こすことができます。反対に、過程は全て見せておきながら、結果は伝えないという方法もあります。見せすぎることで、興味を失わせてしまう場合もあるということを頭に入れて、時にはあえて好奇心を募らせるような要素を残しておくという方法も試してみてください。
新しい飲料をPRするコンテンツの場合を考えてみましょう。好奇心を引き出すには、どのような方法があるでしょうか?アイデアを考えてみてください。
好奇心を引き出す事例
試飲の感想をコンテンツにするのはどうでしょうか。その際、具体的な味などは掲載せず、感じたことだけを感情的に表現してもらいます。「美味しい」「クセになりそう」「すごく飲みやすい」、こうした部分だけを見せることで、「一体どんな味がするのだろう?」と興味が湧くはず。そこから、「一度飲んでみたい」と言う気持ちにさせ、行動へと誘う効果が狙えます。
6・希少性をピールする
商品やサービスの「希少性」のアピールは、そのまま効果的な心理トリガーになります。人は「希少性の高いもの=価値の高いもの」と感じやすく、手に入りにくくすることで、欲しくなってくるもの。また、希少性の高いものだと言われると、それを持つことの満足感やステータスを手に入れたいという心理も強く働きます。
希少性をアピールするいくつかの方法
- 「世界○台限定生産」など数の希少性を訴求
- 「数年に一度しか見られない○○」などタイミングの希少性を訴求
- 「世界的に有名なコレクターしか知らない○○」など情報の希少性を訴求
7・ステータスを訴える
商品やサービスの購入を検討している人に、その良さをいくら説明しても効果が無い場合があります。それは、商品やサービス自体ではなく、それを手に入れることで得られる「ステータス」に魅力を感じている場合です。商品やサービスを手に入れることで得られる地位や名誉、これらのステータスを訴えることで、効果的に感情を動かすことができる場合は少なくありません。
ステータスを訴えるいくつかの表現
- 高級車を愛する人たちが選んだ○○
- ファッション好きな人たちの御用達ブランド
- ハリウッドのセレブたちに人気のコスメ
今回のまとめ
インバウンドサイトのコンテンツに活用できる心理トリガーはたくさんありますが、今回はコンバージョン強化のために活用できるものとして下記の7つを選んでご紹介しました。
- 感情移入させる
- 価値を証明する
- 欲求を刺激する
- 権威性をしめす
- 好奇心を引き出す
- 希少性をピールする
- ステータスを訴える
どれも比較的使いやすいもので、すぐにでも活用できる場面も多いはずです。インバウンドサイトのゴールが、購入や申し込みなどの「行動してもらうこと」であるならば、感情を動かすことは必須。心理トリガーを活用して、コンバージョンの高いコンテンツ作成を目指してみてください。