スマホ対応状況が検索ランキング決定要素として使われるようになる。そんな発表が、2015年2月27日、Googleから正式に行われました。WEBサイトにおけるスマホ対応は、今後Googleのアルゴリズムでも重要視されることになるはず…、以前の記事「スマホサイト整備に待ったなし!?Googleが「スマホ対応」ラベルの対応を開始!」でもそんなお話をしていましたが、いよいよそれが現実のものになります。
そこで、繰り返しになる部分もありますが、「スマホ対応」で何をなすべきかについて、今一度確認しておこうと思います。特にまだスマホ対応ができていない…という方は、ぜひ目を通しておいてください。
ついに、スマホ対応が検索順位に影響することに…
グーグルは、ウェブマスター向け公式ブログで、「Googleでは、4月21日より、ウェブサイトがモバイルフレンドリーかどうかをランキング要素として使用し始めます。」と公式に発表しました。
グーグルは昨年より、スマホへの対応ができているサイトには「スマホ対応」ラベルを表示する取り組みを開始していましたが、これまでは単純に表示するだけ。ランキング要因にはなっていませんでした。しかし、これからはそうではなく、スマホに対応していないサイト、モバイルフレンドリーではないサイトは、スマートフォンでの検索において順位が下がるおそれが出てきました。
警告が来ていませんか?
グーグルはかねてからスマホ対応の重要性をアナウンスしていました。その意味では、今回のアップデートはある意味、予測通りのことでもあり、すでに早くからスマホ対応に力を入れていたという方も多いことと思います。
しかし中には、やろうやろうと思っていながら後回しになっているという方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、一度ウェブマスターツールを確認してみてください。モバイルのユーザビリティに問題があるサイトには、ウェブマスターツールから警告が届くようになっており、今年に入ってからその警告が届くケースが増えていると言われています。
<警告例>
タイトル:
「○○○○(URL)でモバイルユーザビリティ上の問題が検出されました」
本文:
○○ のウェブマスター様
Googleのシステムは、貴サイトの○○ページをテストし、そのうちの 100% に重大なモバイルユーザビリティ上の問題を検出しました。この○○ページの問題の影響で、モバイル ユーザーは貴サイトを十分に表示して楽しむことができません。
これらのページは Google 検索でモバイル フレンドリーとは見なされないため、スマートフォン ユーザーにはそのように表示、ランク付けされます。
もしかしたら、あなたのところにもこのような警告が届いているかもしれません。ウェブマスターツールに長くログインしていない…というような場合には、ログインして「モバイルユーザビリティレポート」を確認しておくことをおすすめします。
モバイルフレンドリーについて、いま一度確認を
モバイルフレンドリーとは、モバイルでの表示を想定して読みやすく、使いやすいサイトにするという、いわば当たり前のこと。グーグルが重視するとしているポイントも、それほど難易度が高いものでもありません。スマホ専用サイトを用意したりレスポンシブWEBデザインを取り入れているという場合は、ほぼ大きな問題はないと思われます。しかし、いま一度、グーグルが提供している「モバイルガイド」の内容を確認するとともに、モバイルフレンドリーテストでサイトをチェックしておきましょう。
Google ウェブマスター向け公式ブログ
「検索結果をもっとモバイル フレンドリーに」
http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/2015/02/finding-more-mobile-friendly-search.html
グーグルのモバイルガイド
CMS別の対応ポイントやモバイルSEOを正しく実装するための情報が掲載されています。
https://developers.google.com/webmasters/mobile-sites/?hl=ja
モバイルフレンドリーテスト
URLを解析し、ページの設計がモバイルフレンドリーであるかどうかをテストできます。OKの場合は、右のように「問題ありません。このページはモバイルフレンドリーです」と表示。ダメな場合は、「モバイルフレンドリーではありません」として、その理由も表示してくれます。
https://www.google.com/webmasters/tools/mobile-friendly/
App Indexingもランキング要因に
なお、グーグルは同じ発表の中で、App Indexingがランキング要因になることもアナウンスしています。これによって、そのアプリをインストールしているユーザーがサインインしている状態で検索すると、インデックスされているアプリコンテンツが上位表示されやすくなります。アプリを利用している場合は、こちらも要チェック。App Indexingについても、日本語のガイドラインが公開されています。
アプリとユーザーを検索結果から直接つなげる
https://developers.google.com/app-indexing/?hl=ja
そもそも、スマホ最適化の目的は?
これまでやろうと思っていてもなかなか重い腰が上がらなかった方には、今回の発表がスマホ対応を行うための良いきっかけになったかもしれませんね。しかし、本来的にいえば、グーグルが発表したから対応しなくては…、ということではなく、そもそもスマホ対応を行うことは、グーグルのためではなく自分自身のため、自社のためのはず。そのことを忘れないようにしていただきたいと思います。
すでにご存知のように、スマホからのアクセスの割合はどんどん増えています。業種などによっては、半数以上がスマホからの接続になっている、という状況も決して珍しくありません。ニールセンの2014年12月16日のプレスリリースでは、各WEBサービスのPCからの利用が前年から10%以上落ち込む一方、スマートフォンからの利用が最大6割増になっているとの発表がありました。業界や対象者によってスピードの違いはあれ、この傾向は今後さらに加速するでしょう。
スマホ対応には、グーグルをはじめとする検索エンジンの動向を伺うことも含まれますが、その真の目的は自社のファンや見込み客を逃さないようにするためだということを忘れないようにしたいですね。
今回のまとめ
- 2015年4月21日から、ウェブサイトがモバイルフレンドリーかどうかをランキングの決定要素とすることをGoogleが発表。
- モバイルユーザビリティに問題があるサイトに、ウェブマスターツールから警告が届くケースも増加している。
- スマホ対応の真の目的は自社のユーザーや見込み客を失わないため。
今回のアルゴリズム変更が、検索順位にどれくらい影響を与えるかは様子を見てみないとわかりません。もしかしたら当面は、検索ランキングが大きく変動するなどということはないかもしれません。しかし最近では、若者だけではなく主婦層やシニア層によるスマホ利用が急速に進んでいます。スマホ対応していないがために、ユーザーにとって見にくい、導線が分かりづらい、といった状況にあるとしたら、大きなチャンスを逃すことになるかもしれません。この機会に、自社のWEB戦略の中でのスマホの位置づけや重要度を、あらためて見直して見ることも大切かもしれませんね。
<参考サイト>
ニールセン2014年 日本のインターネットサービス利用者数ランキングを発表
http://www.netratings.co.jp/news_release/2014/12/Newsrelease20141216.html
<関連情報>
スマホサイト整備に待ったなし!?Googleが「スマホ対応」ラベルの対応を開始!
より愛されるスマホサイト制作のために。ユーザビリティ改善10のポイント