ホームページやブログを、WordPressで構築、運用されている会社は多いと思います。しかし、管理画面のカスタマイズにあまり注意が払われていないケースは、少なくありません。知らないままにデフォルトの管理画面を使っていたサイトが、ちょっとカスタマイズしてもらっただけで作業性が大きく向上した、などという事例もたくさんあります。
WordPressは、システム自体をカスタマイズしなくても、プラグインの利用だけでもかなり使いやすい管理画面をつくれるのがうれしいところ。今回は、WordPressでの編集や管理、更新などを行っていく上で「入れておくと作業が効率化できる」「担当者が楽で、便利!」というプラグインをご紹介していきたいと思います。ぜひ参考にしてみて下さい。
管理画面を使いやすく、自社流にできるプラグイン
ブログやメディアの運営では、システムに詳しくないスタッフやライターが管理画面からの投稿までを行うことが多いもの。管理画面のメニュー構成や表示など、ユーザビリティをよくしておくと、作業性は大きく高まります。
一覧ページを使いやすく「Codepress Admin Columns」
https://wordpress.org/plugins/codepress-admin-columns/
「Codepress Admin Columns」は、管理画面の投稿や固定ページ、メディアライブラリなど、一覧ページの表示をカスタマイズできるプラグイン。余計な項目を非表示にしたり、逆にカスタムフィールドの値やサムネイル画像などデフォルトにはない要素を表示させたりすることができます。更新担当者に必要な項目を見やすい順番で表示するだけで、作業性は向上します。
管理画面を無駄なくシンプルに「WP Admin UI Customize」
https://wordpress.org/plugins/wp-admin-ui-customize/
「WP Admin UI Customize」を利用すると、管理画面を簡単にアレンジできるようになります。ダッシュボード、サイドメニュー、管理バー、ログイン画面、記事編集画面などの表示内容をカスタマイズ可能。管理画面にある様々な要らないものを非表示にしてシンプルにできるので、システムに強くない人にもわかりやすい、すっきりとした画面になります。WordpressをCMSとして使う時には、おすすめです。
管理画面の表示や設定をアレンジ「WP-Total Hacks」
https://wordpress.org/plugins/wp-total-hacks/
「WP Total Hacks」も、WordPressの様々な部分のカスタマイズを可能にするプラグインですが、開発者が日本人ということもあり、日本語表記で分かりやすくなっています。管理画面の表示内容や設定を変更でき、20箇所以上のカスタマイズができる便利なプラグイン。Google Analyticsの追加やWebmasterツールの認証などの機能も含まれており、更新管理作業をシームレスにしてくれます。
Facebookユーザーにおすすめ「Blue Admin」
https://wordpress.org/plugins/blue-admin/
「blue-admin」は、WordPressの管理画面のデザインをFacebookライクにしてくれるというユニークなプラグイン。WordPressにはまだ慣れてないけどフェイスブックは使い慣れている、そんな担当者には、このプラグインを設定してあげれば、見慣れた管理画面風にすることができます。特別な設定もなく簡単にインストール可能。「予想外に見やすい」と、ユーザビリティを評価をする人もいるようです。
管理画面の左メニューを見やすく「Admin Menu Editor」
https://wordpress.org/plugins/admin-menu-editor/
「Admin Menu Editor」は、管理画面左側のメニュー編集が行えるプラグインです。WordPressに慣れていない担当者は、デフォルトのメニューに戸惑うことが多いもの。分かりやすく名前を変えたり、使わないメニューを削除したりしてあげるだけでも理解しやすく、親切な管理画面になります。さらに必要なメニューを追加するなどしていけば、より作業性を高めることもできます。
編集作業をラクに、便利にするプラグイン
ここからは、編集作業を効率的にするために役立つプラグインです。更新作業のストレスを失くし、よけいな手間を減らすためにも、さまざまなプラグインが活用できます。
コード登録で記事作成を効率化「Shortcoder」
https://wordpress.org/plugins/shortcoder/
「Shortcoder」は、ショートコードを作成できるプラグイン。よく利用する文章やHTMLコードを登録しておいて、使い回すことができます。いくつでも登録でき、テキストモードでもビジュアルモードでも、必要な時に呼び出して利用することができます。サイトを運用していると、必ずよく使う定型文やパターンが出て来ます。それらを毎回作業するのは時間のムダ。ライブラリ化しておけば記事作成を効率化でき、作業性を大きく高めることができます。
記事の複製を簡単に「Duplicate Post」
https://wordpress.org/plugins/duplicate-post/
投稿ページや固定ページを、ワンクリックでコピーできるプラグインが「Duplicate Post」です。テンプレート用に保存しておいた雛型記事や同じ構成の過去記事を複製して、それを基にして記事を作成することが可能。複製する項目を設定することも可能なため、上手に使えは日々の更新作業をかなり効率化できます。多くの記事を複製しなくてはいけないときにも便利です。
前後の記事へとスムーズ移動「Admin Post Navigation」
https://wordpress.org/plugins/admin-post-navigation/
「Admin Post Navigation」は、記事編集画面の上部に、ナビゲーションボタンを追加することができるプラグイン。インストールすると、「前の記事」「次の記事」へのリンクが表示され、毎回記事の一覧に戻ることなくスムーズなページ移動ができるようになります。ちょっと前の記事を参照したい時など、更新作業を行っていると便利さを実感できるはず。順番に過去記事の編集を行いたい場合などにも非常に便利です。
ビジュアルエディタを使いやすく「Ultimate TinyMCE」
https://wordpress.org/plugins/ultimate-tinymce/
「Ultimate TinyMCE」は、記事編集画面のビジュアルエディタを拡張するプラグインです。デフォルトのビジュアルエディタでは最低限のボタンしか表示されていませんが、このプラグインをインストールすると、様々な種類のボタンを追加でき、HTMLを編集することなく記事の細かい編集や装飾などが自由に、簡単にできるようになるので大変便利です。HTML を知らない人はもちろん、HTMLが使える人であっても、これを利用することで作業性を高めることができます。
表組や段組を簡単に「TablePress」
https://wordpress.org/plugins/tablepress/
テーブル(表組)の作成を簡単にしてくれるプラグインが「TablePress」。コンテンツに表組や段組を使いたいと思うことは多いと思いますが、複雑な表になると、ビジュアルエディタでは限界があり、かといってHTMLもめんどうです。そんな時に便利なのがこのプラグイン。インストールしておけば、高度な表もつくりやすくなります。めんどうだから…と、つい省略していた表組みも、気軽に利用できるようになります。
目次を自動生成「Table of Contents Plus」
https://wordpress.org/plugins/table-of-contents-plus/
「Table of Contents Plus」は、記事の目次がつくれるプラグインです。記事内のH1からH6までのHTMLの見出しタグを基に、目次を自動生成してくれます。手動で目次を作成したり、該当箇所へのリンクを張ったりするのは意外とめんどうな作業。このプラグインはその手間を省いてくれます。目次にはSEO効果も期待でき、ユーザビリティの観点からもおすすめ。特にスマホサイトで長文を読ませる場合などには、冒頭の目次は効果的です。
よく使うタグをいつでも呼び出し「AddQuicktag」
https://wordpress.org/plugins/addquicktag/
「AddQuicktag」をインストールしておくと、頻繁に使用するHTMLタグを予め登録可能に…。何度も同じタグを入力する手間を省き、記事の作成、編集作業を効率化できます。よく使う構造化タグなども登録しておくと便利。また、このプラグインが本当に便利なところは、単純なHTMLタグ以外も登録できること。かなり長いパターンも登録できるので、上手く応用すると、レイアウトのフォーマットそのものをパターンとして登録しておく…などということもでき、更新作業を驚くほど効率化できます。ビジュアルモードでも使用できます。
ちょっとした編集を手軽に「Front-end Editor」
https://wordpress.org/plugins/front-end-editor/
「Front-end Editor」をインストールしておけば、わざわざ管理画面に行かなくても、閲覧画面で記事編集ができるので便利。WordPressにログインした状態でサイトに訪れるだけで、直接そのまま編集できます。閲覧中に気付いたちょっとした誤字修正や、軽い編集などの際に重宝します。
カスタムフィールドを使いやすく「Advanced Custom Fields」
https://wordpress.org/plugins/advanced-custom-fields/
「Advanced Custom Fields」は、WordPress標準のカスタムフィールドを機能拡張することができるプラグインです。様々な種類のカスタムフィールドを簡単に作成可能。また、作成したカスタムフィールドを、「投稿ページだけに表示」「固定ページだけに表示」などのように設定することもできるのでとても便利に使えます。うまく設計すれば、自社のコンテンツフォーマットに合わせたオリジナルCMSに近い感覚の編集画面をつくることもできます。
運用上便利なプラグイン
最後に、サイトの運用全般に便利なプラグインを集めてみました。この分野でも、様々なプラグインが提供されています。
ワードプレスを丸ごとバックアップ「BackWPup」
https://wordpress.org/plugins/backwpup/
WordPressのデータベースとファイルをまとめてバックアップしてくれる便利なプラグインが「BackWPup」。万が一のデータ消失などに備えて、バックアップを取っておくことの重要性はいうまでもありませんが、高機能なバックアップができるプラグインとしておすすめです。
データベースのクリーンアップで軽量化「WP-Optimize」
https://wordpress.org/plugins/wp-optimize/
「WP-Optimize」は、WordPressのデータベースの自動クリーンアップができるプラグイン。WordPressを使い続けると余分なデータが蓄積して、どうしてもサイトが重くなっていきます。このプラグインをインストールしておけば、後は自動でクリーンアップしてくれます。
公開前の記事チェックに「Public Post Preview」
https://wordpress.org/plugins/public-post-preview/
「Public Post Preview」をインストールしておけば、運用担当以外の第三者が、管理画面にログインすることなく公開前の記事を見ることができるようになります。一時的な確認用のURLを有効期限付きで発行。公開前の投稿や固定ページの新しい記事を自社で内部チェックする時や、外部の人に確認してもらう必要がある時などに、活用できます。
公開期限のある記事管理に「Post Expirator」
https://wordpress.org/plugins/post-expirator/
「Post Expirator」は、記事の公開期限を設定することができる便利なプラグイン。例えば、期間限定のキャンペーン告知ページを指定日時以降は見られないようにしたい、などといった時に便利です。指定期間が過ぎると、「公開済」の記事を「下書き」「ゴミ箱」「非公開」へと変更できます。
ログイン不要でGoogle Analytics を確認「Google Analytics Dashboard for WP」
https://wordpress.org/plugins/google-analytics-dashboard-for-wp/
Google Analyticsにログインしなくても、ワードプレス上でアクセス解析レポートを確認できるようになるプラグインが「Google Analytics Dashboard for WP」です。サイトを運用していると、関連してログインしなければならないサイトが多く、それぞれのパスワードのセキュリティ管理なども行わなければなりません。できるだけ、一元化することでトータルな管理業務を効率化できます。
ダッシュボードにメモ帳を追加「Dashboard Notepad」
https://wordpress.org/plugins/dashboard-notepad/
「Dashboard Notepad」は、WordPressのダッシュボードでメモ帳を使う事ができるようになるという手軽なプラグイン。機能はごくシンプルですが、複数人で更新管理している場合に、別の担当者への伝言を残すなど意外と便利に利用できます。担当者が、自分への忘備録としてメモしておく、などといった使い方もできます。
今回のまとめ
以上、今回ご紹介したプラグインは、「作業を楽に、効率的に」という観点からピックアップしました。ちょっとした作業であっても、毎日のことになればトータルで大きな時間を無駄にすることに…。コンテンツ内容や運用体制に合わせて、あなたのサイト運営をもっと効率的にするプラグインを見つけていただければと思います。
ただし、プラグインを入れすぎると動作が重くなったり、他の機能に影響を与えたりすることもありますので、その点は注意してください。自社では対応できないという時には、これらの情報を参考に、制作会社などに相談してみてください。