ここしばらく、ソーシャルメディアをWEBサイトのように使うというひとつの流れがありましたが、ここにきて簡単に高品質なホームページを作成できるサービスが、再び注目されるようになってきています。そこで今回は、定番サービスから新しいサービスまで、専門知識がなくてもWEBサイトが簡単に作れるサービスをまとめてみました。
WEBサイトを新しく作りたいけど、予算がとれない。新サービスのマーケティングのために、一日も早くWEBサイトが欲しい。もしかしたら、そんな時の解決法が見つかるかもしれません。
Click&Type!で編集できる定番サービス、
Jimdo(ジンドゥー)
「Jimdo」はKDDIウェブコミュニケーションズが運営するオンラインホームページ作成サービスです。ドイツの3人の若者の手によって2007年に誕生したシステムを、2009年3月にKDDIウェブコミニュケーションズが日本語にローカライズし、サービス提供を開始しました。この分野の定番とも言える、実績あるサービスです。
はじめに豊富なテンプレートから好みのデザインを選択。その後、編集したい所をマウスでクリックして、文字を打つだけ(Click&Type!)でページが完成します。ドラッグ&ドロップでコンテンツの配置を行うこともできるので、基本デザインを元に、オリジナルのWEBサイトを簡単に制作することができます。
大規模サイトや複雑な機能が必要なホームページを作るのは難しいと思いますが、一般的なホームページであれば、Jimdoで問題なく作ることができます。概要がわかるYouTube動画も公開されていますので、参考にご覧ください。
Jimdoでホームページを作成! How To Use Jimdo
参考情報:Jimdoマニュアル
Jimdoで作られたサイト例:みたて農園
様々なタイプのページが作れる、Wix(ウィックス)
「Wix」は、HTML5のWEBサイトやモバイルサイトを、ドラッグ・アンド・ドロップツールを使って作成できるオンラインサービスです。2012年12月に日本語版がリリースされ、ベーシックなサービスになっています。ニーズに合ったテンプレートを選んで簡単なドラッグ&ドロップ機能を使うだけで、レイアウトや色の変更など、ウェブサイトを自由自在にカスタマイズできるところはJimdoと同じ。オンラインで公開までを、短時間で行うことができます。
ランディングページやカスタマイズしたFacebookページなど、実用的なテンプレートが豊富なのが特徴。コンテンツ容量などに制約はあるものの、完全無料でサイト構築、コンテンツ管理、テンプレートやホスティングまでが行えます。グラフィックデザイナー兼作家の三上悠里さんが、Wixレビュー動画を公開していますので参考にしてください。
Wixレビュー:三上悠里さん、グラフィックデザイナー&作家
参考情報:Wixでホームページ作成
Wixで作られたサイト例:yuurimikami
注目のサインサービス、Ameba Ownd(アメーバ オウンド)
「Ameba Ownd」は、アメーバブログ(アメブロ)でおなじみのサイバーエージェントが、2015年3月にオープンした自分だけのオウンドメディアを簡単につくるサービス。企業紹介のようなページ制作はもちろん、ブログページをつくったり、TwitterやInstagram、Facebookなどのソーシャルメディアの投稿をサイト上に集約して表示したりすることもできます。また、既存サービスを研究し、管理画面の使いやすさも徹底して追求したとされています。
従来のサービスとの違いは、デザイン性を重視していること。そこに、Owndというトレンドワードを重ね、新しいイメージのサービスとして提供されています。正式公開前からスターバックス・コーヒーやヘアサロンのSHIMAがサイトを開設した他、著名人やアーティスト、クリエイター、企業などの積極的な利用を促進。クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏、ディレクターの夏木マリさん、俳優の水嶋ヒロさん、ミュージシャンのZeebra、MISIA、ゲスの極み乙女など、短期間に約50のサイトが開設されています。以下のプロモーション動画からも、このサービスがクリエイティブを大切にしていることがわかります。
Ameba Ownd:Your Own Website
参考情報:簡単にWEBサイトを作成できる「Ameba Ownd」で個人ブログを作ってみた!
Ameba Owndで作られたサイト例:Starbucks Official Blog
WordPressのテンプレート、Layers(レイヤーズ)
ここまでに紹介したものとは少し異なり、「Layers」は、世界的に人気のCMS「WordPress」のテーマ(デザインテンプレート)のひとつです。数多く公開されているWordPressのテーマといえば、通常はデザインが完成していて、そこに画像やテキストを配置していくようになっていますが、Layersはそれらとは違った発想でつくられています。
Layersのテンプレートは、基本レイアウトが数種類用意され、そこにコンポーネントやウィジェットなどのパーツを自由に組み合わせてページを作成できるようになっています。細部は自動的に最適バランスに調整されるので、簡単にいえば、デザインを見ながらページを自分で構成していけるというイメージです。もちろん、プログラミングなどの知識は一切必要なく、簡単にWordPressのサイトを作ることができます。
参考情報:WordPressでかっこいいページが簡単に作成できる!レイアウトを組み合わせて直感的に作成できるテーマ ?Layers
Layersで作られたサイト例:Sunset Coffee
ECサイトが3分で作れる、BASE(ベイス)
ここまで、ホームページが制作できるサービスをご紹介してきましたが、最後にご紹介する「BASE」は、ネットショップを手軽に作ることができるWEBサービスです。「ECをつくりたい」と思ってから、わずか3分後にはオリジナルのショップを持つことができると、その簡単さがアピールされています。
デザインのカスタマイズ以外に、今まで面倒だった決済システムもはじめから準備されています。さらに、ショップに何人の顧客が足を運んだかわかるアクセス記録や、過去の売買記録など、ショップ運営に必要な機能は全て揃っていながら、初期費用はもちろん、継続して利用するための月額費用や売れる度に発生する手数料なども一切かからず、誰でも手軽にネットショップを持つことができます。
BASE(ベイス)|ネットショップの作成が、今までで一番簡単に
参考情報:誰でも簡単にネットショップが作れる「BASE」を試してみた
BASEで作られたサイト例:とんぼせんせい
サービス活用にあたってのポイント
企業利用も十分可能なクオリティの高いWEB作成サービスの利用は、サイト制作のひとつの選択肢になると思います。しかし、ビジネス利用では、使いどころや使い方については、よく考えたいところです。
例えば、新サービスの市場導入時に、このようなサービスを使ってティーザー(予告)サイトを一日も早く立ち上げ、平行して本格サイトを用意する…などという使い方が考えられます。あるいは、自らプロタイプ的なWEBサイトを作ってみて、それをたたき台としてオリジナルのサイト制作依頼を行う、というような利用の仕方もあるかもしれません。
プロのサポートを受ける方法も
また、誰でも作れるという簡単さが売りではありますが、やはりクオリティを保つのは簡単ではありません。継続的に活用していくつもりであれば、デザインカスタマイズを制作会社にサポートしてもらうことで、制作費を抑えつつもクオリティの高いサイトをつくるという方法も考えられます。ただ、簡単にできるから…と安易に活用するのではなく、サービスのもつ手軽さやスピード感を、より活かせる利用の仕方を考えてみてください。
なお、JimdoやWixの無料版には広告が入りますが、月額換算で1,000円ちょっとから用意されている有料プランへの移行ができます。自社の独自ドメインでの運用もできるようになりますので、ビジネスで継続利用する場合は有料プランの検討をおすすめします。
今回のまとめ
- 用意されたテンプレートを使って手軽にサイトを作れるサービスが再び注目。
- 「Ameba Ownd」などの新しいサービスも登場している。
- ビジネス利用では使い方や、使いどころを考えることが重要。
自分で手軽にWEBサイトが制作できるサービス…と一口に言っても、さまざまな種類や特徴があることに、驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。自社では、どんな活用シーンがありそうか、今後の選択肢の一つとして研究してみてはいかがでしょうか。
<関連情報>
ソーシャルメディアから乗り換えの動きも?自分発信のオウンドメディアを作る【後編】
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