今回取り上げるのは、最近、中小事業者からも注目が高まっているFacebook広告です。キャンペーン時などに「広告出稿」を行うことは多いと思いますが、Googleアドワーズなどに代表されるリスティング広告は、競合の多い業界では入札価格も高騰。スマホシフトの影響などもあって、簡単には成果につながりにくくなってきています。
このような状況に対して、ライバルもまだ比較的少なくコストパフォーマンスのよい広告として注目されているのが、「Facebook広告」。そこで今回は、Facebook広告で効果を出すために知っておきたい「3つのターゲティング機能」について解説してみたいと思います。Facebook広告をまだ使ったことのない方は、まずこの基本機能から押さえていきましょう!
フェイスブック広告といえば、ターゲティング!
ターゲティング重視はWEB広告全般の流れ
最近のWEB広告のトレンドとして、消費者それぞれのニーズにマッチした広告を配信するための「ターゲティング重視」があります。一方的に押し付けるような広告ではなく、その人がより必要とする内容の広告を届けることで、その効果を高めようとしているのです。
そのため、例えばリターゲティング広告の活用や、リスティング広告やディスプレイ広告にも様々なテクノロジーが導入されています。しかし、これらの場合、「訪問サイト」などCookieによって把握した情報に基づいた、いわば推測によるターゲティングしか行えないため、その精度にはまだまだ限界があるのが現状です。
広告媒体としてのFacebookの魅力は実名と、登録情報の豊富さ
それに対して、Facebookを広告媒体として見た時の大きな魅力は、会員登録制のメディアであること。利用者はそれぞれのIDを持ち、パソコン、スマホ、タブレットなど様々な端末からログインしてシームレスに利用します。これを広告出稿側から見ると、利用するデバイスを超えて対象を特定できるということになります。
しかも、Facebookは実名登録が原則であり、年齢、性別、出身地、学歴、勤務先、興味のある音楽や映画など、多くのユーザーが詳しい自己情報を登録。また、いいね!などの行動情報も蓄積されています。そのため広告対象の絞り込み条件として使える項目が豊富で、リスティング広告などでは成し得ない、精度の高いターゲティングが行え、興味のある可能性が高い人にリーチすることが可能です。
Facebook広告では、3つのターゲティング機能が用意されており、これらを活用することでより高い精度での広告出稿が可能になります。以下に、それぞれについてご紹介していきます。
ターゲティング機能1:コアオーディエンス
Facebook広告の「コアオーディエンス」は、年齢、性別、地域などの属性によってターゲティングができる機能です。実名制で、多くの情報が登録されているFacebookだからこその、他の広告とは違う高い精度が期待でき、ターゲットユーザーを細かく絞り込んでのピンポイントなアプローチも可能です
設定できるのは上記に挙げたような属性項目だけではなく、いいね!などの情報に基づいてユーザーの興味、関心、行動などでもターゲティングを行うことが出来ます。一般的なセグメント分けだけではなく、目的とする行動に興味のあるターゲットにのみアプローチすることができるのもFacebook広告の大きな魅力だと言えます。
ターゲティング機能2:カスタムオーディエンス
自社の顧客データベースとFacebookユーザーデータをマッチング
次のターゲティング機能「カスタムオーディエンス」とは、自社が持つ顧客情報とFacebookのユーザーデータをマッチングさせてターゲティングできる機能です。メールアドレス、電話番号、Facebook IDなどを基に、Facebookユーザーの中から該当者を見つけ出します。自社の商品やサービスに興味がある人に絞ってアプローチできるのでコンバージョンしやすく、費用対効果を高めることができます。
例えばメールやDMでは反応が得られなかった顧客にFacebookでアプローチしたり、過去に商品を購入したことがある休眠顧客をフォローしたり、といった使い方ができます。反対に、新規顧客獲得キャンペーンでは、すでに自社の顧客になっている人を対象から除外するなどという使い方もでき、無駄な広告コストを削減できます。
リマーケティング広告としても利用可能
カスタムオーディエンスでは、自社サイトへ訪問したユーザーをターゲットにすることも可能になっており、一度自社サイトに訪れたことがあるターゲットに繰り返し広告を表示させる、いわゆる「リマーケティング広告」も可能になります。ただし、サイト側へのタグの設定や、アクセス元に応じた適切な広告の準備などが必要になり、運用にはやや手間がかかります。
ターゲティング機能3:類似オーディエンス
自社の顧客と似た特徴を持つ人を探すことができる
3つ目の「類似オーディディエンス」とは、カスタムオーディエンスでターゲットとしたユーザーやFacebookページにいいね!をしているユーザーなどの情報を基に、それらと類似しているユーザーを見つけ出してくれる便利な機能です。自社の既存顧客や関心層と似ていると思われるユーザーをターゲットにできるので、新規ユーザーになってくれる可能性が高い人にリーチすることが出来ます。
類似性を高めるために設定項目を細かくするなど、リーチしたいターゲットを効果的に設定することも可能。元々の自社の顧客と共通する項目の多いユーザーを自動的に探し出して広告出稿を行うことが可能なため、これまでリーチできなかった潜在的なターゲットへのアプローチが可能になります。
例えば自社のサービスや商品をまだ購入していない人の中から、すでに購入した事のある顧客と共通する項目の多い人を探し出しアプローチする…などということが可能になります。
以上、Facebook広告の基本となる3つのターゲティング機能についてご紹介しました。なお、Facebook広告では、ターゲティングと並んでクリエイティブ(広告表現)も重要です。複数のセグメントと複数のクリエイティブを使って、効果を検証しながら進めていくやり方が一般的。そのあたりも、管理画面からコントロールしやすくなっていますので、ぜひチャレンジしてみてください。
今回のまとめ
今回は、Facebook広告で活用したいターゲティング機能として以下の3つを紹介しました。
- 属性や関心事などによるターゲティング「コアオーディエンス」
- 自社の顧客データとマッチングさせる「カスタムオーディエンス」
- 一定条件の潜在ユーザーを推測してくれる「類似オーディエンス」
Facebook広告は、低予算から実施可能です。リスティング広告で結果が出なくなった、既存の集客方法ではなかなか成果があがらない、という方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
<関連記事>
LINE、Facebook、Twitter、Google+、あらためて昨今のSNS事情まとめ
【成功事例に学ぶ】Facebookはこう使う!集客に成功した企業事例8選
【年代別数値で比較】Facebook、Twitter、LINE、最も重要なソーシャルメディアは?