2回シリーズでお届けしている、売れる動画、集客できる動画をつくるための基礎の基礎。1回目は、撮影機材の紹介でした。まだご覧になっていない方は、ぜひ読んでみてくださいね。
さて今回は、具体的な撮り方のお話が中心です。自分たちで動画撮影を行うときに知っておきたい、基本的なテクニックをご紹介していきたいと思います。はじめて動画にチャレンジする…という時の背景知識として、これを知っているのといないとでは、結果がグッと変わってきますよ。ぜひ、最後まで目を通してみてください!
伝える動画づくりに大切な演出とストーリー
テクニックの話に入る前に、大前提となる大切なポイントをひとつ。それは“売るため、集客するため”の動画は「記録」映像であってはいけないということです。
記録映像の定番といえば、子どもの成長記録や幼稚園や保育園、学校などの行事、あるいは結婚式などがありますよね。このような映像は本人や関係者にはうれしいかもしれませんが、見せられた人はなかなか気分が盛り上がらないもの。時には、ちょっとつらいなあと思うこともありませんか?それはなぜかといえば、ストーリーや演出がないから、見る人にとって自分ごとにならないためです。
動画を見た人に何かを購入するなどの行動をとってもらうということは、態度の変容を促すということ。そのためには、最初はちょっとした興味、関心で見始めた動画であっても、見ていくうちに実際にお金を出しても良いという気持ちにさせる…そんな力が必要です。それを実現するために必要なのが「演出」と「ストーリー」です。これから紹介していくのはそれを実現していくためのいくつかの基本テクニックですが、その前提として「演出」と「ストーリー」を考えておくことが大切だということは、ぜひ頭に入れておいてくださいね。
ストーリーを持たせることで、記録動画も「行ってみたい風景」に。
魅力的に伝えていくための撮影の基本
では、ここからは、動画撮影を始める前に理解しておきたい基本テクニックを、いくつかご紹介していきましょう。
画面サイズを意識する。
まず撮影に臨む上で押さえておきたいのが、画面サイズ。動画の画面サイズのイメージには、世代間で違いがあります。現在は「HD(High definition)」が基本になっていますが、少し前までは「SD(Standard definition)」が標準でした。
画面はHDを基本に考える
HDとは16:9、つまり横長の画面。一方のSDは4:3のやや正方形に近い画面です。パソコンのモニタなども、新しいものはHDに変わってきていますよね。
ただし、このように主流が変わってきたのは比較的最近のことなので、現在社会に出てバリバリ働いている方の中は、まだSDの画面イメージで構図を考えてしまう方も多いかもしれません。しかし、撮影機器の標準として設定してあるのはHD。またYouTubeなどを使ってWEB上に動画を公開する場合も、HDにすることで高画質でのアップが可能になります。画面は、HDを基準に考えるようにしましょう。
構図を考える。
映像では構図が大事。これはよく言われることですが、構図とは平たく言えば画面の中の配置のこと。例えば、開発者による新商品の説明動画を想定して、人物をどう置けば良いかについて考えてみましょう。人物の位置は、画面に向かって「左」、「右」、そして「真ん中」と大きく分けられます。
特に、現在の標準であるHDで配置した場合、4:3のSDの画面とは比べものにならないほどの横のスペースが存在します。その空白は見る人の心理面にも大きく影響しますので、配置はますます大切になっているのです。
人物が説明するような動画では、基本的には主となる人物を画面の右に置きましょう。これは人間が左目の方が強いと言われる性質を生かすもので、画面から話しかけられてくるイメージに設定するためです。
話者を右に置く事で、見る人に語りかけてくる雰囲気に。
背景をつくる。
HDの横長の画面では人物を一人、あるいは二人配置しても結構な空きスペースができてしまいます。それを埋めるために上手に使いたいのが背景です。
単なる白壁か屋外かでは、同じ話をされていても伝わり方がまるで違ってきます。屋外の場合は、適切な撮影場所さえ確保できればすぐに使えるので良いのですが、動画の内容によっては屋外ではチグハグな感じがします。殺風景な室内を簡単に演出するには、観葉植物を置く方法が効果的です。さりげない絵画や置物といった小物も、画面の隙間を埋めてくれます。わざわざ手配をしなくても、社内にあるものを撮影の時間だけうまく利用しましょう。
観葉植物で背景をうまく埋めた事例
カメラアングルは目的に合わせて
カメラアングルとは、被写体に対するカメラの角度のこと。上寄り(俯瞰)、下寄り(あおり)、そして被写体の目線の高さ(目高)と大きく三つに分けられます。上から撮ると優しく伝えていく感じになり、逆に下からの場合は威厳を持って見せることができます。目線の高さは、余計なニュアンスが出ないので、事務的なメッセージに向いています。
また、商品を撮影する場合、いわゆるブツ撮りでは(右)斜め上からのアングルが適当とされます。斜めから人が見るような角度にすることで全体を把握することができ、記憶に残るのです。これは動画だけでなく写真撮影でも使えるテクニックです。
成果を出すために覚えておきたい重要ポイント
ここまでは撮影の基本テクニックをご紹介しましたが、最後に成果に結びつく動画を完成させるために覚えておきたいポイントをいくつか挙げておきましょう。
目で強調する。
見る人の記憶に残る動画となるためには、強調するポイントをうまく伝えなければいけません。そこで活躍するのが「目」です。強調したいポイントを言う瞬間に、相手をグッと見つめるようにするとうまくいきます。最近では「目力」、あるいは昔から「目は口ほどに物を言う」などと言われるように、目で何かを伝えるのはベーシックな心理操作テクニックです。
テロップで強調する。
テレビではある時期から、強調箇所にテロップを入れる編集が主流になってきましたが、WEBでも多く見られる手法です。人の記憶に強く刻みこむことはもちろん、テレビ慣れしたユーザーに対しても有効な手法だと言えます。
次の行動を促す。
動画を見終わった後に見ている人に行って欲しい行動はきちんと示すようにします。買ってほしい商品ページに行ってもらいたいのか、あるいは会員登録なのか。ハッキリ示さずユーザー自身に見終わった後のリアクションを委ねてしまうと、効果は大きく下がってしまいます。これは動画全体のストーリーづくりの際に絶対押さえておくべき、極めて重要なポイントと言えます。
YouTuberの動画を見ていると、上に上げたような目線、テロップなどを効果的に使っているものが多いことに気づきます。例えば、下に紹介するYouTuberによるレオパレスの動画でもこれらのポイントが、しっかり抑えられていることがわかると思います。見終わった後のメッセージも明確で、誘導もハッキリ伝えていますので、結果につながっていきそうですね。
レオハ?レス遮音性 ボイスパーカッション篇
なお、これらのポイントの前提として、伝えたることは複数ではなく「ひとつに絞る」、ということを忘れないようにしてくださいね!
今回のまとめ
- 売れる動画、集客できる動画には、演出とストーリーが必須。
- 画面サイズを理解して、構図や背景づくりを行う。伝える内容に応じてカメラアングルも意識。
- 強調したいポイントは動画の中から目で伝える。テロップも有効活用。
- 見終わった後の行動をユーザー任せにせずしっかりと提示。
機材編、撮り方編の2回に分けてお届けしたWEB動画の基礎の基礎。ちょっと始めてみようかな…というきっかけにしていただければ、うれしいです。「WEB動画元年」と言われる今年、ぜひあなたのサイトでも売上アップ、集客力アップのための動画コンテンツにチャレンジしてみてください!
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