オシャレなSNSとして、日本でも若い層を中心に利用が伸びている写真・動画共有SNS、Instagram(インスタグラム)。2014年12月には世界の月間アクティブユーザー数が3億人を突破し、Twitterを上回ったと話題になりました。
このような背景のもと、WEBマーケティングでも注目が高まっているInstagramですが、これまでは写真投稿キャンペーンなどでの利用が中心でした。しかし、広告サービスが開始されれば、活用の幅はグッと広がりそう。ぜひ、使ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、注目のインスタグラム広告について、その特徴やすでに開始されている海外での状況などについてまとめておきたいと思います!
日本でのインスタグラム広告開始について
広告開始に関する最初のアナウンスは、2015年5月8日に、まずInstagram公式アカウント上で行われ、「今後数週間の内に、日本国内のInstagram利用において、広告の表示を徐々に開始していきます」という投稿が掲載されました。
https://instagram.com/p/2aWli5BQZ0/
すでに2013年11月からインスタグラム広告(Instagram ads)が導入されているアメリカでは、「数時間で数万人のフォロワーを獲得した」「広告を見た人の5%の以上もがいいね!をしてくれた」など驚くべき結果も出ていると言われています。そんな話を耳にすると、否が応でも期待が高まりますよね。日本での広告サービス開始は、カナダ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツ、ブラジルに続く8カ国目の導入になりますが、さて、どんなサービスになるのでしょうか。
この段階では、「既にInstagramを有効活用している幾つかの企業から導入していく予定」だと書かれていましたが、その後、日清食品、土屋鞄製造所、日本ロレアル(ランコム)など、Instagram慣れしていると思われる企業から先行配信が開始されています。
インスタグラム広告の特徴
これまでのインスタグラムを活用したマーケティングでは、
- 一般ユーザーと同じようにアカウントを作成して、フォロワーを増やす
- 増やしたフォロワーにアプローチする
といった流れが一般的でした。
しかし、インスタグラム広告を利用すれば、フォロワー以外のより多くのユーザーにもリーチすることが可能になります。活用法を考えるために、インスタグラム広告の特徴を押さえておきましょう。
インスタグラム広告は、インフィード型の広告
まず挙げられる特徴は「インフィード型の広告」であるということ。インスタグラム広告は、他の一般の投稿と並んで、写真や動画としてフィード上に表示されます。広告であることが分かるように、投稿の右上に「広告」ラベルが貼られることにはなりますが、Instagramの世界観にふさわしい表現でフィードに溶け込ませ、ユーザーに違和感なく見せることが大切です。
広告サービス開始が発表された際には、コメントなどでそれに強く反対するユーザーの声も多く上がりました。もちろん、Instagram独自のオシャレな雰囲気や文化を、広告で崩されるのを心配してのこと。広告を出す側も、インスタグラムにはこのようなユーザーから成り立っている世界なのだということを理解して、フィードを荒らすことのないようなクリエイティブを、広告でもしっかりと作り込む必要があります。「まずは既にInstagramを有効にご活用頂いている幾つかの企業から広告出稿を開始」しているのも、このような点を配慮してのことだと思われます。
Facebook並みのきめ細かなターゲティングに期待
細かなターゲティングが可能なことも、インスタグラム広告の特徴になりそうです。興味、関心、年齢、性別、地域などの一般的なユーザー属性を始め、Facebook広告と同様に、非常に細かな属性へのアプローチが可能になると期待されています。
親会社であるFacebookが「ターゲティング」を徹底追求していることを考えれば、Instagramにもそのノウハウが活用され、最終的にはFacebook広告で可能なターゲティングはInstagram広告でも可能になるだろう…、というのも自然な流れ。FacebookとInstagramのアカウントを連携しているユーザーが多いことも視野に入れて、マーケティング利用を考えておきたいところです。
ユーザーが広告を非表示にできる
他のSNS広告などと同様に、インスタグラム広告でも、ユーザーがその広告を表示しないようにすることができるとされています。広告下の「非表示にする」のメニューでその設定が行えます。広告色の強すぎる広告は、ユーザーによって非表示設定をされてしまう結果につながりかねません。
クリエイティブが重視されるInstagram。広告においても、いかにセンスが良く違和感の無いコンテンツとして訴求できるかが、効果を左右するカギになることは間違いないでしょう。
※画像にアンダーライン
インスタグラム広告の種類
最後に、インスタグラム広告の種類をまとめておきます。日本で提供されるサービスの詳細はまだ明らかではありませんが、基本的なかたちは海外でのサービスがベースになると思われます。
ダイレクトレスポンス広告
インスタグラム広告のダイレクトレスポンス広告では、「Buy Now(購入)」「Download(ダウンロード)
」「Sign Up(登録)」「Learn More(詳細情報)」などのリンクを付けて、外部サイトへ誘導することができます(画像はINSTAGRAM FOR BUSINESSより)。利用特性としてアプリ内での完結度が高いといわれるインスタグラムですが、コンテンツの工夫によっては、外部サイトへのアクセス誘引策としても活用できそうです。
カルーセル広告
左にスワイプをすると複数枚の静止画像を切り替えてスライドショーのように広告見ることができるのが「カルーセル広告」。よりストーリー性のあるメッセージを送ることができます。寄付を募るNPOの広告活用事例が、
INSTAGRAM FO BUSINESS内で動画を使って紹介されています。
動画広告
大きな効果が期待されているのが動画広告。インスタグラムの動画は15秒までという制限があり、ちょうどテレビCMのような感じです。フィード上で表示される動画コンテンツは自動再生されますので、静止画の広告よりも興味を惹きやすいといえるでしょう。ただし、音声のない状態での自動再生になるので、音声がなくても興味を惹くような始まり方かどうか、という企画面の工夫は1つのポイントになりそうです。
なお、インスタグラムのフレームは正方形となっているため、YouTubeなどの既存の長方形の動画を投稿する際は左右がトリミングされてしまいますので、それを考慮して投稿する必要があります。
今回のまとめ
- 日本での広告は、一部限定での先行配信中。一般への公開日は未定。
- きめ細かいターゲティングやFacebookとの連携にも期待。
- 動画広告を含め、広告の種類も様々に用意されると思われる。
Instagramに関する日本国内の詳細データは公表されていませんが、すでに広告事業が成り立つと判断できるだけのアクティビティはあるということですね。今のところ特定企業だけの先行配信ですが、あらゆる規模の企業に広告サービスを提供するという方針は示されており、これから徐々にサービス体系が明らかになっていくはずです。特に知りたいのは、いつ頃から利用できるようになるの?という点かと思いますが、残念ながら現時点では公表されていません。効果的なWEB集客の1つの施策となるか…自社での活用の可能性を考えながら、今後の動きに注目していきましょう!
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