「今年こそ、実質的な動画元年」と言われていますが、実感としても、いよいよ動画活用が一般化してきたという感じがします。動画は、もはやごくごく普通のコンテンツ制作手法になってきました。みなさんの中にも、YouTubeに動画コンテンツをアップしている、という方は多いと思います。
しかし、YouTubeを使っていながら、YouTubeチャンネルはあまり意識していないという方が意外と多いのは残念です。せっかく動画を配信していても、それでは損!そこで今回は、YouTubeチャンネルの役割や活用法などの基礎についてまとめてみたいと思います。YouTubeチャンネルなんて、気にする必要あるの?と思っている方は、この記事をぜひお読みください!
そもそもYouTubeチャンネルとは?
YouTubeチャンネルとは、YouTubeで自分の動画をアップロードできる場所のこと。YouTubeでは、アカウントごとにチャンネルが提供されて、そこにそれぞれの動画をアップしていくしくみになっています。個人のYouTuberであっても、大企業でも中小企業でも、アカウントさえ持っていれば、だれでも等しくYouTubeチャンネルをつくることができます。
YouTubeで配信される各動画の下には、チャンネル登録という赤いボタンがついており、その右横に現在の登録数が表示されています。ボタンの上には、その動画をアップしたアカウントのチャンネルへのリンクが表示されています(下の画像のオレンジ色で囲った部分)。
チャンネル登録の促進によるメリット
YouTubeで動画を見ていると、“チャンネル登録お願いします”というメッセージをよく見かけますよね?「チャンネル登録」とは、ユーザーが自分の好きなチャンネルを登録しておくこと。Facebookページに、いいね!をするような感じと言えばわかりやすいでしょうか。例えば、YouTuberチャンネル登録者数ランキングを見ると、トップの「HikakinTV」は230万人以上に登録されています(2015年7月現在)。そんなにもファンがいるなんて、さすが人気YouTuberですね。
このYouTubeチャンネルの登録数は、単なる人気の指標というだけではありません。実は、動画の再生数アップのヒントが隠されているのです。それを説明していきます。
チャンネル登録が増えると、動画アップ時の再生回数が伸びる
下の画面をご覧ください。これは、サントリー公式チャンネルをチャンネル登録しているユーザーがYouTubeに接続した時の状態です。
ページの上の方に出ている動画はサントリー公式チャンネルのもの。そして左メニューの登録チャンネルにも「サントリー公式」の文字があります。その右横に「5」という数字が見えますが、これは新たに公開されてまだ再生していない動画の数を指します。このように、気に入ったYouTubeチャンネルを登録しておくことで、ユーザーはその新作をいち早く知ることができます。さらに、新しい動画がアップされた際に、メールで通知を受け取る設定をすることも可能です。
つまり、動画提供者側から見ると、より多くのユーザーにチャンネル登録をしてもらうことによって、新しい動画がアップされたことに気づいてもらいやすい状態になるのです。自ずと再生数も増えていきます。これが、YouTubeでの動画配信においてチャンネル登録を増やすことによるメリットなのです。
YouTube内での検索でも有利に!
チャンネル登録してくれるファンが増えて、数多く再生されると、「YouTube内の検索」、さらには「YouTube内での関連動画」にも表示されやすくなるという二次的メリットも生まれます。検索や関連動画のロジックは明確にはされていませんが、再生回数や再生時間が大きく影響していると推測されています。チャンネル登録をしてくれたファンは、新作動画も逃さず、最後までしっかりと見てくれる可能性が高いので、さらなるアクセスアップが期待できます。
またユーザーがチャンネルを意識して使うようになると、新作だけでなく過去の動画も再生されやすくなります。このように自分のYouTubeチャンネルを登録してもらうことには、予想以上の大きなメリットがあります。再生数が収入に直結するYouTuberたちが、こぞってチャンネル登録を促して来る理由はここにあるわけなのです。もちろん企業も、YouTubeチャンネルを充実させ、登録を増やすことによって、マーケティング効果を高めていくことができます。
事例で見るYouTubeチャンネル
YouTubeチャンネルは、いわばYouTube上のマイページの役割も持っています。見せ方の工夫も忘れないようにしたいところ。実際にどんなYouTubeチャンネルがあるのか、見ていきましょう。
デフォルトのままだと…
これは何?と思われたかもしれませんが、実はYouTubeチャンネルを見ていくと良く見かける光景です。何も設定しないデフォルトのままだと、YouTubeチャンネルはこんな寂しい感じになってしまいます。YouTube に動画をアップしていても、YouTubeチャンネルの存在について意識していない場合や注意を払っていない場合は、このような状態で放置されている可能性が…。もしも、あなたのYouTubeチャンネルがこのような状態なら、いますぐ設定を行いましょう!
効果的に設定されたYouTubeチャンネルの事例
ここからは、いくつかの効果的な設定事例をご紹介します。まずは、話題を集めたサントリーの公式チャンネルを見てみましょう。
人気のチャンネルだけあって、やはり一味違う感がありますね。CMでお馴染みの宇宙人ジョーンズが表示されているヘッダー部分は「チャンネルアート」とばれ、アクセスした時に真っ先に目に飛び込んでくる、最大のブランディングエリアです。やっぱり大企業だから…と思った方もいるかもしれませんが、次をご覧ください。
これも、とてもよくまとまったチャンネルです。YouTubeチャンネルは、大企業でも中小企業でも個人でも、等しく同じスペースとテンプレートを与えてくれます。それをどう作っていくかは、アカウントを持つ個人や企業それぞれの工夫次第で、自由なのです。
個人のYouTuberも、このように、しっかりチャンネルを作りこんでいますね。
YouTubeチャンネル、設定のポイント
チャンネルの設定は、用意されたテンプレートに合わせて実施していけばいいので、それほど難しいことではありません。
チャンネルアートでブランディング
チャンネルアート内にはアイコンのエリアがあります(1)。ここには、通常であればロゴマークなどを挿入します。
2はメインとなる広いブランディングエリア。通販やイベント会社などでは、ここを利用して大々的なプロモーション告知などを行っている場合もあります。イメージ画像だけを入れる場所と思っていると損。色々工夫して利用しましょう。3は自社のWebサイトへのリンク、4には運営するソーシャルメディアへのリンクを設置します。
YouTubeチャンネルをビジネスに使う場合は、自分のサイトや運営する他のソーシャルメディアへの誘導も効果的に使う必要があります。リンク設置がされていないのは論外ですが、飛び先ページでユーザーが違和感を持たないよう、一貫したユーザー体験を意識したデザインにしておくことも大切なポイントになります。
情報提供でアピール
また下記の例のように、YouTubeチャンネル内の情報をさらに充実させるのも効果的です。
チャンネルアートの下に設置されているのは自身の歯科医院の紹介動画。横にはテキストでの詳しい説明の他、住所や問い合わせ先の記載もあります。さらに概要ページ(右)にも、このように多くの情報が掲載されています。
せっかく与えられているスペースなので、使える機能は貪欲に使っていきましょう。もちろん、ただ情報を山盛りにするのでなく、ユーザー視点での情報提供を大切にしてください。
さらに細かい設定についてはYouTube公式の「ヘルプ」ページも参考にしてください。
参考ページ
YouTubeヘルプ「YouTubeチャンネル」
https://support.google.com/youtube/topic/4594518?hl=ja&ref_topic=16549
今回のまとめ
- YouTubeチャンネルの登録者数を増やすことで、再生数アップにつながる。
- チャンネルアートや自サイトへのリンク設置など、チャンネル設定を最適化しておこう。
- ていねいな概要情報など、ユーザー視点にたった情報提供で効果倍増!
いかがでしたか?YouTubeチャンネルの重要性を、しっかりと頭にインプットしていただけたでしょうか?動画マーケティングへの注目がますます高まっている今だからこそ、YouTubeチャンネルをしっかり最適化して、成果につなげていきましょう!今回は、チャンネルの設定を中心にまとめましたが、登録数を増やす方法などについても、また機会をあらためて書いてみたいと思います。