Googleと言えば、まずはSEOのことが頭に浮かぶ方も多いかもしれませんが、実はWEBサイトの運営に役に立つツールを数多く提供してくれています。中でも有名なのが、アクセス解析ツール「Google Analytics」。これは、もはや知らない人はいないほどの定番ツールになっていますが、合わせて使いたいツールが他にもあります。
今回は、Google提供の三種の神器とでも言うべき3つのツール、「Google Analytics」「Google タグマネージャ」「Google Search Console」を取り上げます。それぞれを紹介しながら、今導入すべき理由についても解説。ぜひ、参考にしてください。
アクセス解析の定番「Google Analytics」
これについては、説明の必要はないと思います。おそらくほとんどのWEBサイトがこのツールを導入しているのではないでしょうか。
7、8年前までは「アクセス解析ツールは入れていません」という声もよく聞かれましたが、今では、そんなサイトはほとんど無くなりました。このような、アクセス解析の爆発的な普及に大いに貢献したツールが、この「Google Analytics」です。無料で提供されているツールでありながら高度な分析機能があり、少なくとも小~中規模のサイトでは十分すぎるくらいのツールだと言えます。
「Google Analytics公式サイト」
https://www.google.com/intl/ja_jp/analytics/
タグ管理を一元化。マーケティングを加速させる「Google タグマネージャ」
Googleタグマネージャは2012年10月にベータ版が公開され、2014年3月に正式版となりました。その後、あまり利用が広がっていなかったのですが、ここに来て急速に普及し始めています。主要な機能は、「WEBサイトで使われているさまざまな計測用タグを一元管理する」こと。ページ内に複数のタグが貼られた状態をすっきりとさせ、タグの管理を楽にしてくれるツールです。
中小規模のサイト運営者の方からの、「うちはツールで管理するほど複雑ではないし、大規模サイト向けのツールでしょ?」という声も耳にします。しかし考えてみてください。まずは、アクセス解析用の計測タグが一つ。リスティング広告をやっていれば、「Google AdWords」「Yahoo!プロモーション広告」のコンバージョンタグが一つずつ。最近ではこれにリターゲティング広告タグも加わることが多いでしょう。これもGoogle、Yahoo共に設置したとすれば、これだけでもページ内のタグは合計5種類になります。これくらいのタグを設置しているケースは、小規模サイトでも多いのではないでしょうか?
Google タグマネージャを使えば、これらのそれぞれのタグをページごとに記述する必要がなくなり「タグをすっきりさせる」ことができます。また、設定の追加や修正も管理画面から簡単に行えるので、わざわざ技術者や外注先に依頼をしなくてもよくなります。
マーケティングのための積極的活用も
また現在は、デフォルトの設定以外にも、いろいろなデータを取得して活用していこうという動きが盛んです。例えば、リンクのクリック数やフォームの送信数などの計測や、スマートフォンで縦、横どちらで見ているかなどというデータ取得も、タグマネージャGoogle Analyticsの連携によって可能になります。このようなかたちでマーケティングの効果検証をより深く行い、成果を高めていこうという動きが強くなっていることも、タグマネージャが注目されるもうひとつの理由になっています。
Googleタグマネージャを導入するためには、対象ページにある既存の様々なタグを削除し、Googleタグマネージャのタグを記述します。一度この作業を行えば、あとはすべて管理画面から設定、管理することができます。サイトの新規開設や、リニューアル時などのタイミングで、導入するとスムーズかもしれません。
「Google タグマネージャ公式サイト」
https://www.google.com/intl/ja/tagmanager/
必要性が急拡大の「Google Search Console」
今回紹介する3つの中で最も知名度が低いのが、この「Google Search Console」だと思われます。しかし、ついこの間まで「Google ウェブマスターツール」と呼ばれていたものだと聞けば、「使っている」という方も多いでしょう。2015年5月20日に名称が変更されましたが、今のところ機能そのものは大きく変わったわけではありません。
Google検索エンジンとサイト管理者をつなぐツール
「Google Search Console」は、Googleの検索エンジンに「自分のサイトがどう見られているか」ということに加え、被リンクやエラーの状況なども教えてくれるWEBサイト運用には欠かせないツールです。また単に情報を与えてくれるだけでなく、Googleに「情報を送れる」のも大きなポイントです。メジャーなところでは、XML形式のサイトマップを送って必要なページがクロールされやすくする機能や、Googleに特定ページへのインデックスリクエストを送る「Fetch as Google」などの機能があります。
ちなみに少し余談になりますがこのサイトマップ送信を毎日行うことで、クロールされる頻度が上がり検索順位が上位になる、というSEO手法が主張されたころがあります。しかしクロール頻度がランキングに影響を及ぼすことは無いというコメントが、Google側から出されています。
参考ページ「クロール頻度を上げてもランキングは上がらない」
https://www.suzukikenichi.com/blog/frequent-crawling-does-not-boost-rankings/
検索キーワードの取得に欠かせない
またGoogle Search Consoleが、より重要視されるようになったのには、SSL検索の導入によりGoogle Analyticsで検索キーワードが取得できなくなったこととも大いに関係があります。
アクセスログで「(not provided)」となってしまったキーワードを把握できるのは、現在のところGoogle Search Console内の検索アナリティクスだけ。これをGoogle Analyticsの検索クエリレポートとデータ共有させることで、細かな分析が行えます。
設定がまだの方はGoogle Analyticsの「検索クエリ」レポートを開いて、早速連携設定を行いましょう。
「Google Search Console」へのログイン
https://www.google.co.jp/intl/ja/webmasters/
各ツールが連携を強める動き。今が導入のタイミングだという理由は?
例えばGoogle Analytics とGoogle Search Consolのデータ共有設定に見られるように、Googleが提供するツールはそれぞれが連携して実現する機能も多くあります。今後も、機能の連携は強化されていく可能性が高いので、まだ全てを導入していない場合は、セットでの導入を進めていきたいところです。
ユニバーサルアナリティクスへの移行を機に、増えるタグマネージャ導入
その意味では、今はひとつのタイミングだと言えます。従来のGoogle Analyticsから「ユニバーサル アナリティクス」への完全移行が2016年春を目途に行われることが発表されているからです。
レポート画面(プロパティ)の設定については、ほとんどのサイトで自動的にユニバーサル アナリティクスへの変更が行われているはずですが、サイト内に埋め込んでいるトラッキングコードは自分たちで変更する必要があります。旧バージョンのGoogle Analyticsのタグのままだと、データが十分に取得できなくなりますので、ユニバーサルアナリティクスの新しいタグに変更しておく必要があります。
このタグの更新にタイミングに合わせてタグマネージャを導入する、というのが現在目立つ動きです。2016年春までには、多くのサイトで差し替え作業をする必要がありますので、この機会にGoogleのツールでワンランク上の取り組みを始めてみてはいかがでしょうか?
参考・ユニバーサルアナリティクスへの移行状況の確認方法
レポート側(アカウントプロパティ)の更新
アナリティクスにログインし、[アナリティクス設定]ページの、プロパティの個所が「トラッキング情報」となっていればOKです(移行されていない場合は「トラッキングコード」と表記)。基本的には自動で、移行完了しているはずです。
念のため[トラッキング情報]メニューをクリックし、「セッション設定」や「オーガニック検索ソース」という項目があるかも確認しておきましょう。
トラッキングコードの確認
サイト内に埋め込んであるトラッキングコードを確認してみましょう。“ga.js”ではなく“analytics.js”の記述があればユニバーサルアナィティクス対応になっています。“ga.js”のままの場合は、書き換えが必要です。こちらは、自ら差し替えないと、自動的には書き換わりません。
今回のまとめ
- 「Google Analytics」「Google タグマネージャ」「Google Search Console」は三種の神器ともいうべきWEB運営の必須ツール。
- それぞれの機能連携は今後も強化される可能性が高い。
- 2016年春のユニバーサルアナィティクス移行の動きに合わせ、「Google タグマネージャ」導入の流れが目立つ。
以上、「Google Analytics」「Google タグマネージャ」「Google Search Console」の3つのツールについてご紹介しました。これらを連携させて活用することでより詳細なデータ収集が行え、PDCAをより確かなものにし、マーケティングを加速させることができます。まだ使っていないツールがある場合は、どこかのタイミングでセットでの利用を検討してみてください。
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