インバウンドマーケティングへの注目の高まりに伴い、専門知識を活かして、自社でお役たち情報系のブログ記事やコンテンツの作成を行う企業も増えており、インバウンドサイトを運営していく上では、良質なテキストコンテンツや活発な更新は欠かせない要素となってきております。
今回は、インバウンドサイトを運営していく上で必要なWEB関連の著作権について、5つのポイントで解説します。
①他のホームページからの引用
著作権法は(一定の条件を満たせば)作者の了承を得なくても、他者が運営するホームページから文章を転載し、自説の補強に利用することができる「引用」を認めています。
「転載」と聞くと、人のものを勝手に使うなんて…と良くない印象を持つ方も、もしかするといるかもしれません。しかし、ルールを守った引用は、けして悪いことではありません。
【引用の注意点】
(1)質・量的な「メイン」はあくまで引用する側の独自の文章であること
(2)出典を明記する
(3)引用部分を明確に区分する
ただし、著作権法とはまた別の「個人の方針」として引用を望まず、その主旨を表明しているホームページもない訳ではありません。引用(転載)に関する要望が特別に記載されていたら、そちらを尊重しましょう。
※参考 著作権なるほど質問箱(文化庁)
「著作権Q&A(引用に関して)」
②クリエイティブ・コモンズ・ライセンス適用作品を利用する
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下CCライセンス)は、作者が「条件に従ってくれるなら、作品を自由に使っていいですよ」と表明するためのツールです。
WEB上には、CCライセンスが適用された高品質画像が数多く公開されているので、ルールの概要を押さえておきましょう。良質な画像は、記事に人の目を惹きつけてくれます。
CCライセンス適用作品には、4つの条件を組み合わせた全6種類のライセンスのどれかが適用されています。利用者側は、その条件を守ることで作者からの了承を得ることなく、気軽に作品を利用できます。
どのライセンスが適用されているのかは、作品ごとにリンクされた「コモンズ証」が示していますので、CCライセンス適用作品を利用したい時には、まずはこのコモンズ証を探して確認してみましょう。
【CCライセンスの4つの利用条件】
表示:クレジットの表示
非営利:営利目的での利用しない
改変禁止:元の作品を改変しない
継承:元の作品と同じCCライセンスで成果物を公開する
ちなみに、6種類のライセンスのうち、最も自由度が高いのは条件「表示」のみが指定されたライセンスです。
「表示」ライセンスが指定された作品は、作者名などの必要事項(クレジット)を表示すれば、商用利用や改変も可能です。どんどん活用していきましょう。
※参考 Creative Commons JAPAN
「CCライセンスの作品を利用する際、何を記載すればよいのでしょうか。また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのURLやアイコン、バナー等も表示しなければならないのでしょうか。」
③パブリックドメイン作品を利用する
パブリックドメインとは、著作物の保護期間切れ・権利放棄などにより、完全に「著作権フリー」となった状態のことです。
パブリックドメイン作品は、誰もが自由に、制約なしに利用可能です。
ちなみに、日本国内の画像提供サービスには、商用利用やクレジット記載なしでの利用ができる、かなり自由なライセンスを適用するものがたくさんありますが、用途や再配布には制限がある場合が多く、完全なパブリックドメイン作品を提供しているサービスはあまりありません。
パブリックドメインの画像を探すなら、日本国内の画像提供サービスよりも、海外のものがオススメです。
『pixabay』
④モデルリリース取得済画像を利用する
個人が特定できる人物画像には「撮影者の権利」と「モデルの権利」が別々にあります。
人物画像を利用する場合は「撮影者だけでなく、被写体となったモデルからの利用許可が必要」と覚えておきましょう。モデルリリースは、この「モデルからの利用許可」が得られていることを示す証明書です。
たとえば、人物画像を撮影者がパブリックドメインとして公開していても、それだけでは「モデルとなった人からの利用許可が得られているのかどうか(本当にパブリックドメインとして利用して良いのかどうか)」が明確にはわかりません。
人物写真を利用するなら、モデルリリース取得済であることも確認しておきましょう。
モデルリリース取得済画像を探す場合は、国内の画像提供サービスの方が便利です。
『photoAC』
⑤オープンデータを利用する
日本政府は現在、公共機関が所有する、有用かつ膨大なデータの活用を促進する「オープンデータ戦略」を進めています。
2014年10月には、データを検索したり、活用事例を探せる「データカタログサイト」がオープンしました。中小企業白書や情報通信白書など、さまざまな白書や年次報告がここから利用可能です。
データカタログサイトで公開されているデータには、CCライセンス「表示」が指定されているので、クレジットを記載すれば、商用利用も自由です。
使えそうなものを探して、どんどん活用していきたいですね。
WEB上には、商用でも無料で使える、価値ある著作物がたくさんあります。
利用のルールを理解してしまえば、良質なコンテンツづくりには大いに役立つはずです。使える素材は正しく有効活用し、良質な情報を発信していきましょう!