Googleアナリティクスの使い方を分かりやすく解説する習得講座。今回のテーマは「訪問者のニーズを掴めているか」を確認する方法についてです。
訪問者のニーズを掴めていなければ、いくらアクセスが増えても、すぐに離脱してしまう人が多くなり、せっかく作ったコンテンツを十分に活かすことができません。でも、ニーズをつかめているかどうかを数字から判断するのは難しいですよね。ユーザーは、なぜあなたのサイトを訪れたのか?コンテンツは、その訪問意図に応えることができたのかどうか?アナリティクスを活用して、それを推測する方法を学びましょう。今回は、ごく基本的な2つの確認方法をご紹介します。
1.直帰率から確認する方法
ランディングページの直帰率をチェックしてみる
ランディングページ(閲覧開始ページ)の直帰率を見ていくことで、サイト訪問者のニーズを掴めているかどうかをある程度分析することができます。
Googleアナリティクスの左側のツリーメニューから[行動]→[サイトコンテンツ]→[ランディングページ]と、クリックして行ってください。
すると、下の画面のように、セッション数が多い順にランディングページが一覧表示されます。まずはその直帰率を見ていきましょう。ランディングページとして上位にありながら直帰率が高い、というページは要チェックです。そのページに検索エンジンなどから多くの人が訪れているにもかかわらず直帰率が高いということは、せっかく何らかのニーズを持った人に見つけられながらも、それに応える情報を提供できなかったということになるからです。
ただし、一口に直帰率が高いと言っても、いろいろなケースが考えられます。例えば、「閲覧を始めたものの、途中でやめてサイトから離脱した」「パッと見て違うと判断し、すぐに帰ってしまった」「そのページだけはじっくり見たが、他のページは見ないで離脱した」など。このような違いは、平均セッション時間と合わせて見ることで、ある程度推測できます。
例えば、直帰率が高くても平均セッション時間が長く、十分に読まれているなら、「そのページだけはじっくり見て、他のページは見ないで離脱した」に該当すると考えられます。具体的な状況としては、ブログサイトなどで「リピーターが多く、更新されたページを見て満足して帰った」というケースなどが考えられます。
参考:
Google Analyticsの平均滞在時間は、そのページに接続した時間と次のページへ移動した時間との差分として計算されますので、次のページに移動していない場合は計測できません。つまり、直帰したセッションは計測することができません。そのため、ユーザーの行動を視る参考数値になることは確かですが、厳密に言えばその数値は「直帰していないセッションの平均滞在時間」ということになります。
問題ページの詳細を確認する
ランシングページとして上位にありながら、直帰率が高く、平均セッション時間も短いページは要チェックです。そのようなページについては、もう少し詳しく分析していくためには、更に詳細を見ていきましょう。ランディングページ一覧の中から、該当ページをクリックすると、以下のような画面に移り、そのページに関するさらに詳細な閲覧状況を見ることができます。
上部にあるプライマリディメンションの項目を切り替えることで、参照元別、キーワード別などに、直帰率や平均セッション時間を細かく見ていくことができます。[その他]のプルダウンメニューからも項目を選ぶことができ、先程の例で行けば、[ユーザータイプ]を選んで新規訪問者とリピーターの直帰率や平均セッション時間を比較するなどということもできます。
このように細かくチェックしていくと、そのページに流入してきた人たちのニーズや行動の背景を、ある程度推察できます。それによって、コンテンツ内容とニーズの間にズレがなかったのかなどを検討し、改善の切り口を見つけていくことができます。
2.検索キーワードからニーズを掴む
訪問ユーザーの検索キーワードをチェックする
多くの人がパッと見て、すぐに直帰してしまっているようなページの場合は、キーワードとコンテンツ内容のミスマッチも考えられます。ここでは「検索キーワード」を合わせて見ていきます。
Googleアナリティクスの左側のツリーメニューから[集客]→[すべてのトラフィック]→[参照元/メディア]と、クリックしていきます。
次にプライマリディメンションの項目として[キーワード]をクリックすることで、訪問ユーザーの検索キーワードを見ることができます。
ここで上位に表示されているキーワードほど、多くのユーザーがそのワードでWEBサイトへと辿り着いて来ていることを表しています。ここでも、直帰率を中心に、平均セッション時間などもあわせてチェックしていきます。直帰率が高い場合、そのキーワードによって期待した内容のコンテンツがなかったということになりますので、何らかの改善が必要です。
サイト内検索で使われたワードをチェック
検索エンジンのキーワードと同じく、ユーザーのニーズを知る手掛かりとなるのが[サイト内検索]で使われたキーワードです。訪問ユーザーが、サイト内で直接入力する検索キーワードは、訪問者のニーズを直接的に知ることができる貴重なデータで、コンテンツ作りのためのヒントになります。
サイト内検索ができるように設定するためには、[アナリティクス設定]→[ビュー]→[ビュー設定]とクリックしていきます。すると、[ビューの設定]ページが表示されますので、下にスクロールをしてみてください。 右のような、[サイト内検索の設定]という項目が見つかるはずです。ここで設定を行います。
まずは、サイト内検索のトラッキングをオンに。クエリパラメータには、サイト内検索で使われるパラメータを記載します。
例えば、当サイトで「インバウンド」とサイト内検索すると、URLウインドウに「https://www.m-hand.info/?s=インバウンド&post_type=post」と表示され、サイト内検索に「s」というパラメータが使われていることがわかります。これを記載します。
[サイト内検索のカテゴリ]の設定項目は、検索時にカテゴリなど他の分類のためのパラメータが付けられるような場合にそのパラメータ軸でも見ることができるようにするものです。これはオプションなので、まずはオフのままで保存しましょう。
これだけの設定で、サイト内検索のレポートが表示されるようになり、左メニューの [行動]→[サイト内検索]で見ることができます。データが蓄積されるまで、最初はデータが0になっていると思いますが、 その後、サイト内検索が利用されたのに応じて反映されていきます。
今回のまとめ
訪問者のニーズを掴めているかどうかという判断は、なかなか難しく、どこまでユーザーの行動を推測できるかというマーケッターの力量にもかかわってくる部分です。しかしながら、今回ご紹介したような方法で、アナリティクスのデータを見ていくことで、気付きのヒントが得られることは多く、そこから問題が明確になったり改善のヒントが見えてきたりすることもよくあります。慣れれば、確認にそれほど時間はかかりませんので、定期的にチェックするようにしてみてください。
このページの内容をまとめたPDFマニュアルもダウンロードいただけます。お手元に置いてご利用ください。
Google Analyticsで、訪問者ニーズを掴めているかを確認する
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そうでない場合はどこに問題があるのかについて、しっかりと検討して行くようにしましょう