皆さんの中にも、インバウンドマーケティングに取り組んでいる方は多いと思います。でも、中には「なかなか成果が出ない」「このままでいいのだろうか?」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?もしかしたら、ちょっとやり方が間違っているのかもしれません。
今回は、そんな時の振り返りに役立ちそうな、興味深い海外のブログ記事を日本語化してご紹介したいと思います。
インバウンドマーケティングでやってはいけない5つのこと
ご紹介するのはマーケティングエージェンシーSearch, Incのブログにあった
「インバウンドマーケティングでやってはいけない5つのこと」というテーマの記事。以下にその概要を日本語化してみました。
1.マーケティング方法を変えないこと
インバウンドマーケティングでやってはいけないことの一つは、現行のマーケティング戦略に満足し、マーケティング方法を変えないことです。人の考えや流行は、常に変化するもの。それに応じてマーケティングも変化させていかなければ、ビジネスは停滞し、不利益をもたらすかもしれません。
時代の流れに乗り、新しいソーシャルメディアや新しい技術を使用することも必要ですが、それらのツールを使ってどれだけ顧客の求めているもの・情報・サービスを提供できるかということがより重要になります。世の中の動向を観察し、顧客が求めていることを見極め、顧客に提供する内容を常に変えていくことが必要です。
コダックは変化しなかったことでカメラ市場から消えてしまいました。デジタルカメラが開発され、顧客の需要がデジタルカメラに移行した後もフィルムカメラに執着したため、デジタルマーケットの恩恵を受けることができなかったのです。変化することを恐れたため、2014年に完全に市場から消えてしまいました。
マーケティングは顧客の需要に応え続けること。新製品や新サービスを提案したところで、顧客の要望と一致していなければ、顧客を引き付けることはできないのです。
2.携帯端末からアクセスできないウェブサイトを運営すること
あなたのウェブサイトはスマートフォンや携帯電話から見つけることができますか?インバウンドマーケティングでやってはいけないこととして、ウェブサイトの携帯端末最適化をしていないことがあげられます。
2013年時点で、アメリカ人の半分以上がスマートフォンを保有しており、その数は増えています。2014年にグーグルが行った調査によると、スマートフォンユーザーの95%がオンラインで情報を検索し、44%が検索した会社から商品を購入しています。数字から、スマートフォンや携帯電話から簡単にウェブサイトにアクセスできることが、顧客の増加につながることが分かりますね。スマートフォンや携帯電話でウェブサイトを見たときに、連絡先がきちんと表示されないなどということがあると、顧客や見込み客を拒絶することになってしまいます。モバイル端末最適化はとても重要です。
(参考)博報堂DYホールディングスの調査によると、日本でも2013年11月末時点でのスマートフォン保有率は55.2%となり、半数を超えました。
3.インバウンドマーケティングのみに依存すること
インバウンドマーケティングは確かに注目を集めていますが、「それが自分の会社に必要かどうか?」をいったん考えてみましょう。
もし、アウトバウンドマーケティングで結果を出しているのであれば、それを捨てる必要はないかもしれません。アウトバウンドマーケティングで成功しており、収益を得る手段となっているのであれば、注目されているからというだけでやみくもにインバウンドマーケティングを使用する必要はありません。どちらか一方だけがいいというのではなく、自分のビジネスの動向を観察し、使い分けることが重要です。
4.セールスを前面に押し出したコンテンツを作成すること
「素晴らしい商品だから買って!」と表現してあるブログやソーシャルメディアの投稿を見たことはありますか?こういった表現は、顧客に不快感を与えてしまいます。
コンテンツは見る人のために作成されなければならず、製品中心や検索エンジン中心になってはいけないのです。コンテンツを作成する目的は、顧客に何かの価値を提供することです。情報、教育的なコンテンツは有益で、ビジネスマンの80%が取引する会社を選ぶ際に広告よりも記事を重視しているといわれています。
P&Gは、ウェブサイトで新製品の大きな写真を掲載する代わりに、正しい掃除法などを紹介しています。これは顧客に対するサービスを目的としており、競合会社よりも信頼でき、業界のリーダーであると理解してもらうためでもあります。作成されたコンテンツは多くの人に共有され、ブランドの促進にもつながるのです。
5.ソーシャルメディアで顧客対応をしないこと
ソーシャルメディアは、顧客とのコミュニケーションの場です。「顧客に対応していますよ」というそぶりを見せるためだけにならないように注意が必要です。月に1度や2度の投稿だけで満足してはいけないし、製品やサービスの紹介だけすればいいわけではありません。
顧客から質問があったり、意見があったり、苦情があったような場合には、これに応えないと、確実にマイナスのイメージを作ってしまいます。
ソーシャルメディアユーザーの50%が企業とコミュニケ―ションをとるためにソーシャルメディアを使用しているという調査結果が出ています。そのうちの78%が、将来ソーシャルメディアがカスタマーサービスに取って代わると思っていますが、実際にはソーシャルメディアで企業に連絡を取った人の約90%が無視されているのが現状です。
ソーシャルメディアをカスタマーサービスと考えて対応すれば、確実に信頼を得て、顧客の増加につながると言えそうです。しかし逆に、ソーシャルメディアで顧客との関係を構築せず、ただ、ソーシャルメディア上にページを保有するだけであれば、オンライン上で人々にマイナスイメージを植え付けてしまうことになります。ソーシャルメディアユーザーの約90%が、「フェイスブックページで顧客からの質問に答えなかったり、苦情にこたえなかったりした企業から購入しない」と答えています。
いかがでしたか?細部では少し状況が異なる部分もあるかもしれませんが、本質的には、日本でもあてはまることばかりだと思います。特に、1番目の「マーケティング方法は、その時々で変えて行かなければならない」ということや、3番目の「トレンドだからというだけで取り入れるのではなく、それが自分の会社に必要かどうかを考えてみることが大切」など、基本となる視点が大切な気がしました。
時には立ち止まって軌道修正しつつ、それぞれの会社の状況にあったより良い方法でインバウンドマーケティングを取り入れ、成果を上げていくようにしたいですね。この記事をそんな時の参考にしていただければと思います。
〈この記事の作成にあたって参照した元記事〉
「5 Worst Inbound Marketing Practices」(英語)
documenthttp://www.poweredbysearch.com/5-worst-inbound-marketing-practices/
〈参考記事〉
博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンター、「全国スマートフォンユーザー1000人定期調査」第8回分析結果を発表
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/15354