Facebook、Twitter、Instagramなど、多くのソーシャルメディアが、競うように広告機能を強化。リスティング広告よりも費用対効果が高いなどの点で、それに呼応するように出稿企業側からの注目も高まっています。
そんな中で、見直されているのがTwitter広告。しかし、幅広い使い方ができるために、どのように活用すればいいのかわからないという声もよく耳にします。そこで今回は、Twitter広告を集客に上手く活用している成功事例をご紹介。「こんな効果があるのか」「こんな使い方ができるのか」など、活用のヒントにしていただければと思います。
Twitter広で成果を出した10事例。その成功のポイントは?
Twitter広告では、Twitter利用者のタイムラインや検索結果、おすすめユーザー欄などに広告を掲載し、WEBサイトやアプリ紹介ページに誘導するというかたちが基本。その意味ではごくシンプルなものです。しかし、細かく見ていくと「コンバージョンを上げる」「認知度を高める」「サイト流入数を増やす」など様々な目的や使い方があります。
Twitter広告を集客に上手く活用している成功事例を、課題や目的、成果、活用ポイントの3つの観点から見てみましょう。
事例1:アプリのダウンロード率を3倍以上に!
課題・目的
各航空会社の国内航空券の一括価格比較ができる「格安航空券エアータウン」では、リピート率の伸び悩みという課題がありました。その解決策として、ファンを増やし売上をあげるために使いやすいアプリをリリース。そのプロモーションにTwitter広告を活用しました。
成果
・広告開始後は、開始前と比べてアプリのダウンロード率300%アップを実現
・アプリ経由の1日あたりの売り上げも活用前に比べ300%~500%アップ
売上アップを、アプリのダウンロード数増加で実現した事例です。
膨大なアプリ市場で、特定のアプリをユーザーに届けるのは至難の業ですが、Twitter広告には、アプリへダイレクトに誘導できる広告機能があります。タイムラインなどに、アプリのインストールや利用を促す広告が掲載され、広告内の[インストール]ボタンからユーザーをアプリストアに誘導できます。アプリを商材とする展開では、効果的な広告機能です。
事例2:潜在顧客へのアプローチで新規顧客拡大
課題・目的
静岡県伊豆市のホテルサンバレーが課題としていたのは、ホテルの認知拡大と、新規顧客の獲得。その実現のため、従来行っていたリスティング広告だけではアプローチできていなかった潜在顧客に向けてTwitter広告の活用を開始しました。
成果
・Twitter広告開始後、公式ホームページの月間閲覧者数が増加し、昨年対比20%増
・Twitterのフォロワー数も3ヶ月で28%増
高額な広告費を投下していないにもかかわらず、幅広いユーザーから反応を得ることができました。
「温泉」と「バイキング」という2つのテーマで広告のABテストを行い、より反応がよかった「温泉」の広告を掲載。カスタムオーディエンス(過去、サイトに訪れたことがある人」に広告を配信)のリマーケティング機能を活用することで、公式サイトへの訪問履歴があるユーザーへの効果的なアプローチにも成功しています。
事例3:離れていた既存顧客の呼び戻しに成功
課題・目的
ゲーム開発などを行うイーイットでは、ゲームアプリ「憂国の大戦2」のプロモーションで、ユーザー数拡大、費用対効果の高い広告運用を目指しTwitter広告を活用しました。
成果
・それまで使っていた他の広告媒体と比べて、新規ユーザー獲得単価を50%程度に抑えることに成功
・低単価での獲得にも関わらずゲームアプリの利用継続率もアップ
さらには、前作のゲームをプレイした人など、離れていた既存ユーザーの呼び戻にもつながったということです。
主に、特定のキーワードで検索・ツイートしたユーザーを対象にターゲティングを実施。それにあたっては、ゲームと親和性の高いキーワードだけでなく、ユーザーがツイートするであろうと思われるさまざまなワードを設定。単語を省略することが多いというゲームユーザーのツイートの特性を考え、ターゲティング設計を入念に行っています。
事例4:低単価での新規ユーザーの獲得に成功
課題・目的
全国の授乳室情報、おむつ交換台情報などを掲載している地図アプリ「ベビマ」を開発したEST corporationでは、サービスの認知度アップとアプリのダウンロード数増加を目的に、Twitter広告の運用を行いました。
成果
・アプリストアでの閲覧数15%アップ
・実際のダウンロード数5%アップ
・エンゲージメント率は、毎日ほぼ1%を越えた
eCPE(1エンゲージメントあたりの単価)も20円~30円台と、低単価で効率的な広告運用を実現。高騰する広告費などの問題を解決するためのヒントとなる事例です。
興味・関心カテゴーの「家族」/「幼稚園・保育園」「乳幼児」、ライフステージの「母親」をターゲット属性として設定。ターゲット設定に注力し、対象を絞り込んだ運用を行っています。
事例5:ターゲットを絞った集客の実現
課題・目的
バイクを売りたいユーザーとバイク買い取り会社をつなぎ、バイクの査定額を一括比較できる「バイク比較.com」は、査定数増加を目的としてTwitter広告を利用。40~50代の男性が多いサイトのユーザー層を拡げるため、もっと若い顧客層の拡大を狙ってTwitter広告を導入しました。
成果
・18歳から35歳のユーザーで、Twitter広告以外からの流入は約30%であるところ、Twitter広告経由では約70%
流入に大きな差が生まれ、今まで獲得しづらかった層にリーチすることに成功しています。
Twitter内でのキーワード検索結果やフォロワーの属性などを細かく分析することで、ターゲットが絞れ、ユーザーの興味や関心に近いツイートや広告配信設定を行うこと可能となります。このキャンペーンでは、大型バイク、メーカー別にターゲティング実施し、画像のバイクをそれぞれ変えるなどの細かい対応を実施しています。
事例6:自然検索の増加など間接的効果を獲得
課題・目的
テレビで活躍するヒーローやヒロインからの手紙が届くサービス「キャラレター」を運営するイクスネットでは、ターゲットである30~40代の子育て世代の父親、母親への認知拡大を目的にTwitter広告の活用を開始しました。
成果
クリスマスプレゼント用キャラレターの申し込み受付時期にタイミングを合わせることで、ターゲットへの訴求に成功。人気キャラクターを活用したサービスという拡散されやすい要因もあって、多くのリツイートも獲得しました。
またTwitter上での認知拡大により、自然検索の増加、他の広告媒体の増加にも繋がっていると感じているということです。
顧客層に合ったTwitterユーザーを探してどのようなツイートしているかを分析するなど、ターゲットが使いそうなキーワードを常にチェック・検証。画像は、ウェブサイトカード(サイトのコンテンツを表示し、任意のページにユーザーを誘導できる広告機能)にするか、「画像投稿+テキストリンク」にするかなどを、内容によって都度決めています。
事例7:アプリ経由で注文数増加
課題・目的
ネット通販サービスの運営を行うコスモメディアサービスでは、「みんなの名刺」というアプリ事業を展開。アプリという特性上、SEOに頼らない集客をどう実現するかが課題でした。
スマートデバイスで利用するサービスであることや、利用者の多くが若い世代であることなどから、若者へのリーチに期待できそうなTwitter広告に着目しました。
成果
・アプリ経由の注文が増加
・メインターゲット層への急速な拡散とフォロワー数増加
売上と拡散という両面での成果を出している事例です。
アプリへダイレクトに誘導できる広告機能を活用。元々、フォロワーのほとんどがコスプレイヤーであり、広告でもコスプレイヤーからのフォローや、そこからの注文数が増加するという動きが見られたため、このようなターゲット向けの投稿に絞り込んで、さらなる拡散につなげるという考え方をとっています。
事例8:ディスプレイ広告より圧倒的低単価のCPCを実現
課題と目的
リブセンスでは、主力事業であるアルバイト求人情報サイト「ジョブセンス」の見込み客の獲得に課題を感じていました。
そこで、現時点ではアルバイトを探していない潜在的見込み客を対象とし、リスティング広告などを活用した既存の施策だけではリーチできない層へのアプローチ策としてTwitter広告を活用しています。
成果
メインターゲットとなる学生層への親和性の高さなども相まって効果的な運用が行え、ディスプレイ広告などと比べても圧倒的に低単価のCPCを実現しました。
学生にリーチするため、大学名やサークル名のアカウントを指定し、そのフォロワーと類似したユーザーに配信できるターゲティングを利用。広告ではウェブサイトカードを使用して、画像とテキストの両方で訴求しています。
事例9:サイト流入数の増加でコンバージョンを獲得
課題と目的
プリンターインクを専門に扱う通販サイト「インク革命.com」では、全体の注文数における初回注文の割合低下という課題を抱えており、顧客層拡大の実現に向けてTwitter広告の活用を開始しました。
成果
・Twitter経由でのサイト流入数580%アップを実現
・月間50件ほどのコンバージョン獲得
目標獲得コストの1/4程度の金額に収まる低予算で、サイト流入数を増やしコンバージョン数の増加を実現している事例です。
Twitter広告活用のポイント
ターゲティングは、最初は広く浅く行って、反応のきざしが見えた層を深掘りする方法で運用。ターゲットとなるTwitterアカウン トを見つけられれば、そのツイートを見て生活スタイルを想像し、キーワードを選出。さらに、そのキーワードに関連するアカウントを探し、その「フォロワーと類似ユーザー」でターゲティングを実施しています。
事例10:認知拡大でツイート数アップを達成
課題と目的
映画配給会社のファントム・フィルムでは、「恋するバンパイア」という映画の宣伝にTwitter広告を活用しました。この映画のメインターゲット層が10代後半から20代前半の女性ということで、若い層の多いTwitterでのプロモーションを広告展開の主軸としました。目的は、公開1週目の動員数を増やすこと。
成果
・初日は公開前の平均値と比べてツイート数の447%アップを実現
公開初日に向けて広告の出稿量を上げていく施策を行い、盛り上がりを作りだすことに成功しました。
映画の公開前後で広告文を切り替えて運営。公開前は、告知拡大を狙って、ユーザーによるリツイート促進に力を入れ、公開後はハッシュタグを活用した感想募集を行うことで、映画を見た人からの情報拡散を目指しました。
Twitter広告のメリットを活かそう!
活用事例から、使い方のイメージやヒントを掴んでいただけたでしょうか?最後に、Twitter広告を使った人がよく挙げる「Twitter広告の利点」をまとめておきたいと思います。これらのポイントを上手く活かせる展開を、あなたも考えてみてください。
・費用対効果が高い
Twitter 広告では設定した成果だけに課金されますが、「課金されない部分での効果が高い」という評価が多く見られます。例えば、サイトへの誘導をコンバージョンに設定した場合には、広告のリツイートやお気に入りなどの行為には課金されません。また、同一ユーザーによる2回目以降のエンゲージメントにも課金されません。これらによって、「実際の広告料金以上の効果がある」と感じる人が多いようです。
・間接的効果を得やすい
広告の直接効果だけでなく、内容を工夫することで二次拡散、三次拡散も狙えることや、フォロワー増加などの間接的な効果が得られやすいという特徴もあります。広告によってフォロワーを増やしておくことで、広告を使わない通常のツイートでも、プロモーション効果が高まったという話はよく耳にします。
・リサーチ効果がある
リプライされることでユーザーの生の声が聞けるという点も、SNSであるTwitter広告ならでは。リスティング広告などにはない特徴です。そこにさらにリプライすることで、ファンづくりにつなげていくなどの展開も行えます。
・即効性がある
Twitter 広告では、ツイートの仕方で様々なプロモーションが可能。特に、即効性が高いので、シーズン制を活かした展開や、「明日まで」「◯◯の日限定」などといった期間限定の告知では、他の広告媒体以上の効果を出した事例が多数見られます。
今回のまとめ
今回は、Twitter広告活用のヒントとして、10の事例を中心にしたお話をしました。あなたのビジネスでは、どう使うことができるのか?考えるきっかけにしていただければと思います。
なお、今回ご紹介した事例は、ヤフープロモーション公式サイトに紹介されている事例からピックアップし、画像なども一部引用させていただきました。他にも様々な事例が掲載されていますので、関心がある方は参考にしてみて下さい。
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