画像やテキスト、動画などの投稿や共有ができるウェブログサービス「Tumblr(タンブラー)」。ソーシャルメディアだと思っている方も多いかもしれませんが、実はWordPressと同じようなCMS機能も持っており、オウンドメディアの構築に活用する事例も増えています。
そこで今回は、あらためてこのTumblrをご紹介したいと思います。どんな機能や特徴があるのか、コンテンツマーケティングにどう活用できるのかなど、SNSとしてだけではないTumblrの新しい一面にもスポットをあててみたいと思います。
SNS?それともブログ?Tumblrの特徴
Tumblr(タンブラー)は、アメリカのYahoo!傘下のDavidville.incが運営するサービス。他人のコンテンツを集めることができる「リブログ」という機能で、キュレーションメディアのような使い方ができる他、ソーシャルメディアやCMSの機能もあるという多彩な顔を持つサービスです。そのため、SNSだという人もいれば、ブログだと思っている人もいるなど、位置づけが一定しない側面もあり、メディアミックス・ウェブログサービスなどとも言われます。
最近(2015年11月)では、メッセージング機能(チャット機能)の追加もアナウンスされて、さらに進化を遂げつつあり、あらためて注目が集まっています。まずは、その主な特徴をまとめてみましょう。
特徴1:ブログに近いわかりやすい操作感
世界で2億人を超えるユーザーを獲得している背景には、ブログ感覚で気軽に使えるという操作性の良さがあります。SNSのように他のユーザーとのコミュニケーションツールとして活用する人もいれば、ブログのように自分メディアとして使う人もいますが、いずれの場合も、簡単に使うことができます。
日本語化もされているスマホアプリからの投稿も可能。豊富な使い方が簡単にできるという操作性では、他のSNSよりも優れていると評価されています。
特徴2:テンプレートが豊富
FacebookやTwitterなどのSNSとは違って、Tumblrには豊富な無料テーマが用意されています。有料のものも多く提供されており、低コストでデザイン性の高いテンプレートが選べます。また、HTMLを編集すれば高度なデザインカスタマイズもできることから、企業による活用事例も増えています。
特徴3:画像や動画などのコンテンツを拡散しやすい
写真や動画などのコンテンツを手軽に投稿でき、一般的なSNSよりも見やすく魅力的に表示することが可能です。また、Tumblrには「リブログ」と言う、Twitterで言うところのリツイートのような機能もあり、他のユーザーの投稿をキュレーションするような使い方もできます。画像や動画はリブログされやすいことから、拡散やブランディングなどにも活用しやすいと言えます。
特徴4:他ソーシャルメディアとの連携が容易
コンテンツマーケティングの運用において、ソーシャルメディアとの連携は欠かせない要素ですが、Tumblrでは、他のメディアとの連携も容易です。TwitterやInstagramなどの投稿をTumblrにも集約したり、逆にTumblr更新情報をFacebookやTwitterへと流して拡散につなげることもできます。
Tumblrでオウンドメディア。そのメリット・デメリット
以上のような特徴があり、WordPressと同じようなCMS機能を持つことから、Tumblrをオウンドメディアとして活用する事例が、徐々に増えてきています。洗練されたデザインにカスタマイズして独自ドメインで運用すれば、一見するとTumblrで構築したとは分からないレベルに仕上げることも可能。Tumblrを使ったオウンドメディア構築には、以下のようなメリットがあります。
主なメリット
- アカウントをつくればすぐに始められる。
- FacebookやTwitterなどでは出来ないデザイン性の高いメディアがつくれる。
- 他のSNSで行った投稿も集約できる(Instagram,Twitter,Youtubeなど)。
- フォロワーに直接コンテンツを届けることができ、拡散力がある。
- サーバ代などの費用がかからず、基本無料で使える。
- 無料でも広告が入らない。
- 独自ドメインを使うことも可能。
その反面、いくつかのデメリットも存在します。
主なデメリット
- 高度なデザインカスタマイズを行うにはHTMLの編集が必要。
- 拡散力があるとはいえ、日本ではまだまだユーザー数が少ない
しかし、これらのデメリットは、それほど大きなマイナスになるものではありません。オウンドメディアを始めようと思いながら中々重い腰が上がらない場合などには、まずTumblrを使って気軽に始めてみるのもひとつの方法かもしれません。
オウンドメディアへの活用事例
実際に企業がどのように活用しているのか、ここからは、Tumblrで作られたいくつかのオウンドメディアをご紹介いたします。
1:Nikon
http://nikonimaging.tumblr.com/
Nikonでは、写真、動画、テキストなど豊富なコンテンツを投稿したオウンドメディアとしてTumblrを活用。おしゃれで魅力的なメディアの構築を行っています。デザイン性の高さという点でも、カスタマイズの参考になる事例だと言えます。
2:Gap Japan
イベントやキャンペーン情報、商品のスナップ写真などのコンテンツが豊富なGAPジャパンのアカウントです。画像を多用することで、コンテンツを魅力的に見せています。ピンタレスト、Twitter、YouTubeなどへの投稿も統合し、ブランドイメージを打ち出しながら、しっかりと必要な情報を届けています。
3:IBM
IBMでは海外向けに「IBMblr」というサイトを構築し、最新技術やイノベーションに関する内容のコンテンツを発信しています。画像や動画などを活用して、視覚的にも分かりやすく興味を惹くコンテンツを投稿、ブランディングだけでなくコミュニケーションツールとしての活用も可能にしています。
4:Apple
http://itunes.tumblr.com/(※音が出ます)
AppleではiTunesで配信中のコンテンツについての情報を投稿しています。各コンテンツをクリックすることで詳細が確認できるようになっており、最新のトレンドをおさえる意味でもユーザーにとって興味深いメディアだと言えます。
5:ラコステ
世界的なメーカーラコステでは、画像のみの投稿でメディアの構築を行っています。商品紹介を目的とした画像などの投稿はもちろん、ブランドイメージを表す画像なども多く投稿することで、商品紹介に終始するのではなくブランディングにも活用しています。
今回のまとめ
以上、豊富な機能を持つメディア「Tumblr」について解説してきました。活用事例でもお分かりいただける通り、Tumblrなら、無料サービスで作ったとは思えないハイクオリティなデザインへのカスタマイズも可能です。メリット、デメリットはありますが、手軽でスピーディーにオウンドメディア構築ができるという点は大きな魅力ではないでしょうか。コンテンツマーケティングの一環で、オウンドメディアの可能性をちょっと試してみたい…などという時に、まずはトライアルとして気軽に使ってみてはいかがでしょうか。
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