事業展開をする上で、常に気になるのはライバルの存在ですよね。皆さんの業界は、競争が厳しいですか?強力なライバルは、多いですか?それらに対して、あなたの商品やサービスの強みは、明確ですか?
同業者との競争に打ち勝ち、自社を選んでもらうためには、自社ならではの「強み」を明確にして、差別化を図らなければなりません。それは、インバウンドサイトの制作にとっても、とても重要なことです。そこで今回は、多くの競合との差別化を図るための方法として、マーケティングの世界で重要だと言われている「USP」について、わかりやすくご説明します。ぜひ、ライバルに差をつけるテクニックをマスターしてください!
競合の多い業界で勝ち残るために必要なこととは?
最も競争の激しい業界とも言われる飲食業では、開店から5年以上生き残れるのは15%程度と言われています。他にもエステやネイルサロン、美容室やコンビニなども、ここ数年ですっかり競合の多い業種となりました。歯科医院もコンビニの数よりも多いなどと言われますし、資格保有者の増加で供給過剰気味になった士業の方々も、多くのライバルたちと戦わなくてはならない時代です。
このような状況で、競合から差別化を図るための方法として、マーケティングの世界では「USP」を持つことが重要だと言われています。USPとはユニーク・セリング・プロポジションの略です。
USPとは
ユニーク(Unique)=独自の
セリング(Selling)=ウリ
プロポジション(Proposition)=提案
つまり、USPとは「他社にはない自社だけの強み」ということになります。
広告でもUSPが使われることは多く、例えばキャッチコピーに「独自の提案」がなければ面白くもなく、興味を惹かないものとなってしまいます。USPは企業におけるマーケティングコンセプトを示すものであり、「自社の強み」を端的に見込み客に伝えるための要素にもなります。
USPの成功例
USPの有名な成功例として、次のようなものがあります。
- ドミノピザ「30分以内にお届けできなければ、お代は要りません」
- M&M「お口では溶けても、手では溶けないチョコレート」
このように、優れたUSPは、ライバルとの差別化を可能にします。もし今ライバルだらけの業界において、どうすれば他社との差別化が図れるのか、どうすれば競合に打ち勝ち顧客を獲得できるのか…と、お悩みでしたら、効果的な「USP」を作ることがその突破口となるかもしれません。効果的なUSPを作ることができれば、差別化や業界で一歩抜きんでることが可能になります。
効果的なUSPの作り方
では、どうすれば効果的なUSPを作ることができるのでしょうか?効果的なUSPを作るためのアプローチ方法は沢山ありますが、ここではまず簡単なやり方で効果的なUSPを作ることが出来る方法を3つ、具体的にお話したいと思います。
方法その1:ターゲットを絞る
ターゲットを絞ることはマーケティングにおいて非常に重要です。商品やサービスは何も変えていないのに、ターゲットを絞るだけで業績の改善に繋がった…、というケースは非常に多くあります。
近年競争が激しく生き残りが厳しくなっているとも言われる士業の方を例に挙げて、考えてみましょう。例えば、税理士さんを探す時を想像してみてください。それぞれに特に目立ったウリがなければ、料金や知名度などを決め手に選ぶというパターンが、選ぶ側の行動心理として予測できます。
そんな時に、例えば「飲食業専門の税理士」「個人事業主専門の税理士」などと打ち出せば、特定のターゲットから見たときの「選択の決め手」を生み出すことができます。ターゲットを絞ることのメリットは、メッセージが明確になるということです。
メッセージが明確になることで、そのメッセージを必要としているターゲット層に強く訴求できるようになります。ターゲットを絞り、特定のターゲット層にとって「選ぶ際の決め手となる要素」を作ることができれば、それが強いUSPとなります。
方法その2:マーケットを変える
マーケット、つまり市場を変えることによって効果的なUSPを作ることも出来ます。今度は、歯科医院を例にとって考えてみましょう。
多くの歯科医院は、基本的には、虫歯を治したいと言うターゲットがいる市場においてパイを奪い合っています。しかし近年では、歯科医院に来院する理由に、「審美」、見た目の美しさを求める人が増えています。ホワイトニングをしたり、歯並びを良くする矯正をおこなったり、それはいわゆる一般的な「虫歯を治したい」と言う市場とは違ったマーケットになります。
これまでの「虫歯を治したい人たちがいる市場」から、「歯を美しくしたい人のいる市場」へとマーケットを変えることで、これまで争っていたライバル達との競争がなくなることがあります。ニッチな市場であればあるほどライバルは減りますので、業界のトップに躍り出ることも不可能ではありません。
このようにマーケットを変えることでも、ライバル達とは違ったターゲット層へのアプローチが可能になります。新たなマーケットに目を向けることで、専門性の高いUSPを作ることが出来ます。
方法その3:業界の逆を行く
「他社がこんなサービスをしているから…」「他社がこれぐらいの価格帯だから…」と、同じ業界の競合他社の動向に左右されることは少なくないかもしれません。しかし、あえて業界の逆を行く、逆張りの戦略が、時に非常に有効的な戦略となることがあります。
例えば回転寿司チェーン。低価格をウリにしているところが多いのですが、そんな中で、あえて他社より高い料金設定を行って、高級路線を売り出すというやり方が考えられます。高級路線を打ち出すことで、質の高さを印象付けることもできるようになり、高くても質の良いお店だと、強いコンセプトを打ち出すことが出来ます。
また、整体や整骨院などの治療業界も競合が激しく、低価格で様々なサービスをウリにしていますが、多くの整骨院が豊富な施術メニューを用意しているのであれば、あえてサービスを1つに絞ることによって専門性を打ち出すことも出来ます。これはターゲットを絞ることとも通じる面はありますが、「当店は腰痛専門の整骨院です」とアピールすれば、専門性の高さやサービスの質の良さを印象付けることが可能になります。
今回のまとめ
- USP(ユニーク・セリング・プロポジション)とは、「他には無い独自の強み」のこと。
- 商品、サービス、会社などのUSPを明確にすることで、競合との差別化を図ることができる。
- 効果的なUSPを作るコツは、「ターゲットを絞る」「マーケットを変える」「業界の逆を行く」の3つ。
今回ご紹介した3つは、どれも簡単な方法ですので、ぜひやってみてください!効果的なUSPは、競争の激しい業界をリードするための強い武器になることはもちろん、集客力の高いインバウンドサイトを作るための前提条件にもなります。新しい集客サイトを立ち上げる時はもちろん、なかなか効果が出ない時にも、USPから考えてみてはいかがでしょうか。