2015年5月より開始されたFacebookの「カルーセル広告」をご存じですか?費用対効果の高い広告として広く活用されるようになったFacebook広告の中でも、特に注目されているのがこのカルーセル広告です。
しかし、「Facebook広告は使っているけど、カルーセル広告は知らない」という方も案外いらっしゃるようです。それはもったいない!ということで、今回は、Facebookのカルーセル広告を取り上げてみます。どんな広告なのか?なぜ費用対効果が高いのか?などに迫っていきたいと思います。
Facebookのカルーセル広告とは?
カルーセル広告とは、複数の画像がスライド表示される広告のことです。「カルーセル」は、英語ではメリーゴーランド、回転木馬などを意味する言葉。クルクル回っていくイメージから名付けられているわけですね。
従来の広告では、ひとつの広告枠にはひとつの画像やバナーなどの使用しかできませんでした。しかし、カルーセル広告では、1つの枠に複数の画像を掲載でき、それぞれにリンク設定も行えます。言葉では分かりにくいかもしれませんので、下記をご覧ください。
これは、Facebookbusiness公式ページから引用させていただいたものですが、カルーセル広告では、このように複数の画像がスライド表示されます。
ひとつの枠に最大5つの広告を表示可能!
カルーセル広告は5つのカルーセルパネルが1ユニットになっており、いわば「1つの広告枠に5種類の広告出稿が可能な広告」だと言えます。
- 最大5つまで画像を登録可能
- 1つ1つの広告にCTAの設置が可能
(購入する/予約する/詳しくはこちら/登録する/ダウンロード/他の動画を視聴/申し込む/お問い合わせ) - スマートフォンアプリのインストール広告にも適用可能
- PCでは右側の枠にも表示可能
なぜ、カルーセル広告は費用対効果が高いのか?
そのどこがいいのか?と言えば、もちろん、広告のアプローチの幅が広くなることです。複数の表現を切り替えられることで、クリエイティブの幅も広がり、ブランドや製品の詳細情報やキャンペーンサイトへの導線など、複数のコンバージョンを効果的に設定できるようになります。
例えば、Aパターン、Bパターンの表現には反応しなかったユーザーが、Cパターンでは反応する…などといったケースが考えられ、CVR(コンバージョン率)の向上を期待できます。そして、CVRの向上は、見込み客の獲得単価の抑制にもつながります。「カルーセル広告は従来の広告より費用対効果が高い」と言われる理由はそこにあります。
通常の画像広告より10倍もクリック率が高いという調査も
アメリカでソーシャル・マーケティング展開を支援するキネティック・ソーシャル(Kinetic Social)からは、「Facebook上におけるカルーセル広告は、通常の画像広告より10倍もクリック率が高い」という調査結果も発表もされています。
出稿方法は思ったよりも簡単!通常の広告設定と変わらない。
複数の画像やテキストを表示させる広告フォーマットと聞くと、ちょっと難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、設定はごく簡単。基本的な広告作成の手順はこれまでと同じなので、一度でも広告出稿されたことのある方ならスムーズに進めていくことができるはずです。以下に、その手順を説明しておきましょう。
ここでは「ウェブサイトのアクセスを増やす」を選択して進めて行きます。
次のページで「ターゲット」と「予算」の設定を済ませ、更に次のページで広告デザインの選択を行うことになりますが、カルーセル広告の場合、ここで「複数の画像を使用した広告」を選択します。
すると、カルーセル広告用の広告作成画面へと遷移。最大5つまでの画像などを追加できます。画像を登録して見出しやリンク先を設定していけば、サムネイル画像などは自動で設定されるため、非常に簡単な操作で5つの広告設定が完了します。
設定が終了すれば、「注文を確定する」ボタンをクリックして審査を待つだけ。審査が終わると設定した広告が表示されるようになります。
費用対効果の改善事例も続々と報告
このように、手軽に使えて効果が期待できるカルーセル広告ですが、実際に高い効果を得ることができたという事例も増えています。そのいくつかご紹介していきましょう。
事例1:通常広告の約1.5~2倍の効果を出した「メルカリ」
フリマアプリ「メルカリ」では、カルーセル広告を使うことで、それまでと比較してROSA (広告の費用対効果を測る指標:広告費1円に対して得られた売上金額)が約1.5~2倍に向上。複数のカテゴリーを持つメルカリの場合、カルーセル広告との相性がとても良く、多くのユーザー獲得につながっていると思われます。すでにFacebookへの広告出稿費の50%以上がこのカルーセル広告となっていることからも、その効果の高さを知ることができます。
【参考】Facebookで差をつけろ! 成功例に学ぶマーケティングの極意
事例2:CPIが50%改善した「BASE」
ショッピングアプリを展開するBASEでは、アプリのプロモーションにカルーセル広告を導入することで、CPI(インストール1件あたり獲得単価)を改善させています。ターゲットを絞りながらも、複数の画像を用いた視覚的インスピレーションを与えることで、コンバージョンの向上を実現。結果としてCPIが50%も改善しています。CPIの高騰に悩む企業にとっては、参考になる事例です。
【参考】Facebook for business成功事例「BASE」
事例3: 2倍近いCVRを達成した「ferret」
WEBマーケティング関連の様々なサービスを提供しているferretでは、WEBサイトの会員登録にカルーセル広告を利用。それまでの単一イメージバナー形式の広告と比較して、CTR(クリック率)が0.61%から17.9%へと向上し、CPC(クリック1件あたりの単価)は60%程度低くなる結果となりました。ユーザーが興味を持つと思われる複数の訴求でアプローチを行った結果であり、費用対効果を高めるカルーセル広告の活用法としてわかりやすい事例です。
【参考】【データ公開】CVR17.9%!Facebook広告のカルーセル広告の基本と配信事例
今回のまとめ
以上、Facebookのカルーセル広告についてお話してきました。カルーセル広告の特徴である「複数の訴求が可能になる」ということのメリットは非常に大きく、Facebook広告での効果改善につながったという事例が増えています。
複数コンテンツの用意などの手間は少し増えるかもしれませんが、特に難しい作業はなく、従来のFacebook広告への出稿と同じイメージで設定できます。すでにFacebook広告を出稿されているのであれば利用しない手はありません。今回の記事を参考に、今からでも一度試してみてはいかがでしょうか。ちなみに、Instagramでもカルーセル広告は提供されています。
<参考ページ>
ウェブサイトへの誘導: カルーセル形式の広告(Facebook ads guide)
<関連記事>
Facebook広告は成果に結びつくのか?その実態と可能性を探る
3つのターゲティング機能をマスターして、Facebook広告を制す!