WEB上には様々なコンテンツが溢れていますが、特にここ数年は動画コンテンツが急増。あらゆるところで動画を見かけるようになりました。そんな中で、注目の高まりを見せているのがシネマグラフ(cinemagraph)です。
静止画像の一部だけが動くというシネマグラフには、動画とは違った独特の魅力があり、多くの作品がソーシャルメディア上でも話題になっています。今年のデジタルマーケティングでは、バナー広告などでも広く使われるようになる可能性も…。そこで今回は、シネマグラフの特徴や使い方などについて、とりあげてみたいと思います。
シネマグラフとは?
百聞は一見にしかず。シネマグラフがどんなものなのかは、実際に見て頂くのが早いかもしれません。
http://gifmagazine.net/post_images/55
http://gifmagazine.net/post_images/54
シネマグラフとは、このように一部にだけ動きを取り入れた静止画像のこと。いかがでしょうか?静止したスペースの中で、特定の部分だけが動いているという不思議さは、強い印象として心に残るのではないでしょうか?何故か惹きつけられて、思わずじっと見入ってしまうのがシネマグラフの魅力です。
シネマグラフは基本的にはGIF形式の画像で、動く部分は動画をGIFアニメ化して作成していきます。
ドイツでは、Gallereplayというシネマグラフ専用のストクフォトサービスも登場。アーティストの手によるクオリティの高い作品がたくさん掲載されていますので、シネマグラフの魅力をもっと知りたい方は、ぜひご覧になってみてください。
Gallereplay「STOCK INEMAGRAPH」
https://www.gallereplay.com/cinemagraphs
企業のシネマグラフ活用例
最近ではこのシネマグラフを、自社商品やサービスの紹介に上手く活用している事例も増えています。そのいくつかを紹介してみましょう。
事例:蛇口メーカーでは流れる水をシネマグラフで表現
これは、海外の事例になりますが、アメリカの蛇口メーカーのPrice Pfister社のWEBサイトでは、蛇口から流れる水の部分をシネマグラフにて表現しています。
静止画像なのに一部が動くシネマグラフを使うことで、見るものを上手く惹きこんでいます(URLをクリックして、シネマグラフもごらんください)。
http://www.pfisterfaucets.com/innovations/slate#.VphdKE9ofIV
事例:ビールのキャンペーンで、泡の表現にシネマグラフの活用を
国内でもシネマグラフは続々と活用され始めています。例えば、キリンビールでは新商品のキャンペーンページで、シネマグラフを使っています。
下のURLから、ページをご覧ください。「開発者の思い」のコーナーで使われているビールの画像をよく見ると、グラスの中で細かな泡が動いているのがわかります。
http://www.kirin.co.jp/products/beer/sumikiri/
事例:シネマグラフのミュージックビデオも
ユニークなところでは、このような全編シネマグラフで作成したミュージックビデオも登場しています。
https://www.youtube.com/watch?v=i33n3ULE0AE(音声あり)
シネマグラフは2016年のトレンドとなるか?
シネマグラフ自体は数年前から存在していましたし、技術的にも新しいものではありません。しかし、2015年あたりから徐々に目にする機会が増え、2016年の今年はブームになっていくと見られています。その背景には大きく2つの要因があります。
背景1:ソーシャルメディアでの投稿環境が整ってきた
ひとつは、各ソーシャルメデイアでの掲載環境が整ったこと。インスタグラムやTumblr、Twitterなどがシネマグラフに対応した動画投稿のフォーマットの導入を始めており、海外ではインスタグラムでのシネマグラフ投稿数は、フォーマットの導入後10倍以上にもなっているという現状があります。
スターバックスやウォルマートなどの有名企業を始めとする多くの企業がソーシャルメディアでのシネマグラフ活用を始めており、その中にはトヨタなどの日本企業も見られます。
https://www.instagram.com/p/3W3yCyqAh8/
Facebookでも、このシネマグラフが重要度を高めていると言われ、特定の広告業者やマーケッター向けに配布しているガイドの中でシネマグラフの魅力を伝えている、などといった噂もあるようです。
背景2:動画マーケティングの課題解決策としても注目
もう一つの要因は、動画マーケティングの普及と関係しています。動画コンテンツはすでに、かなりの供給過多気味。提供側が自動再生させて少しでも多く見てもらいたいと思うのに対し、ユーザー側はそれに煩わしさを感じるという場面も少なくありません。動画がそこにあるだけで「またか」という印象を抱くユーザーもいるはず。嫌がられず、いかに興味を持ってもらえるようにするかは、動画マーケティングの次の課題になっています。
そこで注目されているのがシネマグラフ。動画にはない軽さでユーザーの邪魔をせず、むしろ興味を持ってもらえるような魅力的なコンテンツが作れるとして、期待が集まっているのです。
サイトのコンテンツやソーシャルメディア投稿の他、バナー広告などでも使われるようになりそうな予感。今年のWEB上では、様々なシネマグラフが話題を集めるようになるかもしれません。
今回のまとめ
- シネマグラフとは、静止画なのに一部だけが動く画像のこと
- インスタグラムをはじめとするソーシャルメディアでも掲載環境が整備。活用が増加。
- ユーザーからの拒否反応も出てきた動画マーケティングの打開策としても注目。
シネマグラフの作り方は意外と難しくはありません。また、スマートフォンに保存した動画からシネマグラフを製作できるなどといったアプリも登場しています。むしろ重要なのは、どこをどう動かすかというアイデア。新たなトレンドが来る前に、今からチェックしておいてはいかがでしょうか。
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